阪神の森下翔太外野手(25)が5日、大山悠輔内野手(30)、糸原健斗内野手(33)、桐敷拓馬投手(26)とともに大阪市…

 阪神の森下翔太外野手(25)が5日、大山悠輔内野手(30)、糸原健斗内野手(33)、桐敷拓馬投手(26)とともに大阪市内のミズノ本社で行われた「ミズノブランドアンバサダーミーティング」に参加した。すでに来季の新バットは発注済みで、自身の技術向上ありきで相棒を選んだ。兄貴分との約束である「佐藤輝明賞」の初獲得に向けて、30本塁打を最低ラインに設定。“三度目の正直”で罰ゲームの丸刈りだけは回避する。

 メジャーリーガーや数々の偉大な先輩たちがいる中でも、森下の存在感は際立っていた。今や球界でも目標の選手に挙げられる一人。そんな虎の若き主砲にも、達成できていない“勲章”があった。それは「佐藤輝明賞」。兄貴分の佐藤輝と2人だけで作った、“タイトル”だ。

 初年度だった24年は達成を逃した。今年のクリア基準は30本塁打。惜しくも7本届かず、ご褒美はお預けとなったが来季の達成に向けて、すでに始動している。

 11月に岐阜県のバット工房の養老工場を訪問。何本ものバットを握り、至極の一本を選択した。いくつものモデルを試しながら、たどり着いたのは自身のモデルを微調整すること。なぜ大きく変えなかったのか。その意図は深かった。

 「バッティングの技術をつける中でバットが変化しているので。そのバットを使ったからといって、操作性が上がったりミート力が上がることはないです。その体についてくるか、こないかなので」

 あくまでも、バットは道具の一つ。本塁打を打つ、安打を打つ、数字を残すためには技術を上げないといけない。「本塁打を打てないやつがホームランバットを使ったって、本塁打を打てないじゃないですか」。自身が求める打撃スタイルに合った相棒を、時間をかけて選択していく。現時点では重心の位置を手前にし、長さは33・5インチから33・75インチに。グリップも太くするなど、いくつかの微調整を施した。

 もちろん、来季の「佐藤輝明賞」の獲得には自信たっぷりだ。「30本は最低ラインかなと思っています」。1年目の10本塁打から16本、23本と着実に成長の跡を残してきた。ただ、気になるのは佐藤輝が罰則を設定するかもしれないこと。しかも、真顔で「丸刈り」の罰を検討していた。

 「表向きはそういう顔してんじゃないですか」と弟分はニヤリ。まだ罰則もご褒美も決まっていないが、「佐藤輝明賞」の獲得となれば、個人もチームとしてもプラスになる。

 40本塁打102打点の兄貴分がいて、後ろで支えてくれる大山がいる。さらに、ドラフト1位で立石(創価大)という強打者も加入。「最低ライン」の30本塁打を記録すれば、連覇の2文字が現実のものとなる。