<浜松開誠館 赤き血のイレブン2>第104回全国高校サッカー選手権が28日に開幕する。3年ぶり3度目の出場で、冬の全国初…
<浜松開誠館 赤き血のイレブン2>
第104回全国高校サッカー選手権が28日に開幕する。3年ぶり3度目の出場で、冬の全国初勝利を目指す浜松開誠館は、29日の1回戦で九州文化学園(長崎)と対戦(神奈川・U等々力、午後2時10分)する。
日刊スポーツ静岡版では4日から「浜松開誠館 赤き血のイレブン」と題して、チームの顔触れを連載する。
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FW田窪悠己(3年)はエースの座を譲らない。県選手権では全4試合に先発出場し、チーム2位の3得点を挙げた。大会後は左足首のケガで戦線離脱。現在も完全復活を目指してリハビリに励んでいる。まもなく戦列復帰する予定で、「もう1回アピールしないといけない。焦りはないけれど、全国では絶対にスタメンで出て活躍したい」と強い決意を示した。
同校中等部出身で、中学3年時には全国中学大会で優勝。同大会では5試合で6ゴールを挙げるなど、当時からエースとしてチームを引っ張ってきた。ただ、高校入学後は苦労が多かった。
田窪は「自分に足りないところが自覚できていなかった」。2年時にはFWから右サイドバックへの転向を命じられ、本職でのプレー機会すらなかった。「その期間で自分を見つめなおすことができた」。コーチ陣から求められたことはチームのために走る献身的な姿勢。最終学年となった今年からFWに戻ると、プレースタイルは変わった。
「まず守備から入る意識になった。前から追う部分は誰にも負けない」。前線からの献身的な守備で貢献し、50メートル6秒1の俊足を生かしたプレーで攻撃を引っ張る。サイドバックでの経験も生きているといい、「トップスピードでのボールの受け方はよくなったと思う」と胸を張る。
全国では目に見える結果を求めながら、チームプレーに徹する。「みんなのためにプレーすれば、結果はついてくると思う」と田窪。欲張らず、愚直に走り続ける。【神谷亮磨】
◆田窪悠己(たくぼ・ゆうき)2007年(平19)5月28日、東京都生まれ。就学前に静岡に転居し、小1から佐鳴台SSSで本格的にサッカーを始める。中学時代は浜松開誠館中でプレー。168センチ、63キロ。血液型B。右利き。家族は両親、兄。