ハートに思いっきり火が付いた。西武の外崎修汰内野手(32)が5日、契約更改後の会見で熱く語った。「自分ら、年齢的には上の…

ハートに思いっきり火が付いた。西武の外崎修汰内野手(32)が5日、契約更改後の会見で熱く語った。

「自分ら、年齢的には上の方になるかもしれませんけど、自分の中では全然、年齢のせいで気になるとか全くないし、むしろここからまたやれる、自分のスイッチを入れるタイミングだとも思えているので」

源田壮亮内野手(32)と二遊間を組み、ともに大型複数年契約を結んで、西武の近年を支えてきた。

滝沢夏央内野手(21)が優れた守備力の二遊間選手として台頭し、この日は日本ハムからFA宣言した石井一成内野手(31)との契約合意が発表された。

「人生、いろいろタイミングが大事だと思いますけど、そういうタイミングで新戦力が入ってきたり重なっているので。よっしゃ、やってやろう! と」

自身は球団方針の三塁コンバートを1年前に受け入れた。失策を重ねた。「めちゃくちゃ難しかった。1歩1歩成長できる感じがあまり見えず、あまりポジティブな方に考えを持っていけなかった、それくらい難しいポジションでした」と隠さずに思いを言う。

球団や首脳陣にも秋に伝えた。「僕の勝手な考えは、セカンドでいきたい気持ちはあります」とこの日もはっきり口にした。

外崎と源田、ファンからは“トノゲン”と愛される二遊間コンビは今季、外崎のコンバートと滝沢の飛躍で実現しなかった。

さらに滝沢-源田の“ナツゲン”さえどうなるか分からない。広池浩司球団本部長(52)はこの日契約合意したユーティリティーの石井について、こう話す。

「打撃の指標もいいですし、セカンドの守備の数値も非常に良くて」

「基本は競争なんですけども、今年はセカンドで非常にいい数字を残していますので、そこを中心に争いをしてもらう形になります」

レギュラー争いの決め手は「そこは一番いい選手が出ることになりますね」と本部長は言う。だから外崎も源田も滝沢も、FAで入団する石井でさえも、レギュラーの保証がない。

今井らのメジャー挑戦による投手力低下が不安視される中、「得点力を上げる」方策に現時点ではカジを切る。石井と桑原将志外野手(32)の2人を招き入れた。

「内外野で能力のある選手を1人ずつ、経験もある選手を取れたのは大きいと思います」

足りないポジションを埋めるための補充ではなく、足りなかった競争を作りだすための補強。

誰がレギュラーをつかみ、誰が試合に出られなくなるか。1年後、誰が昇給に喜び、誰がチームを去るか。30人に迫ろうとする育成選手も含め、ユニホームを着る全員が争う。

想像を超える速さで、血も空気も入れ替わろうとしている。【金子真仁】