◆プロボクシング三大世界戦▼WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 正規王者・堤聖也―暫定王者ノ…
◆プロボクシング三大世界戦▼WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 正規王者・堤聖也―暫定王者ノニト・ドネア ▼WBA&WBO世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座統一戦12回戦 WBA王者・高見亨介―WBO王者レネ・サンティアゴ ▼WBO世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマット12回戦 王者アンソニー・オラスクアガ―同級4位・桑原拓(17日、東京・両国国技館)
王座統一戦に挑むWBA世界ライトフライ級王者・高見亨介(23)=帝拳=が5日、都内の所属ジムで練習を公開した。シャドーボクシング、ミット打ちを披露した高見は「しっかり調整ができている。統一戦ということで、前回よりもさらに気合が入っている。今回は長いラウンドいきそうな気もするが、願望は4ラウンドKO(勝ち)です」とリップサービスを含め宣言した。
7月のエリック・ロサ(ドミニカ共和国)戦では10回TKO勝ちしてWBA王座を獲得。今回は同王座の初防衛戦となるが、それ以上にWBO世界同級王者レネ・サンティアゴ(33)=プエルトリコ=との統一戦という大一番。サンティアゴは3月に同門の先輩・岩田翔吉(29)から王座を奪ったテクニシャン。スタミナを武器にフットワークを駆使してパンチをヒットするくせ者だ。「今回は特に足がキーポイントになる。足を使う選手には足で対抗する。足さばき、ステップの多い試合になる」という。さらに相手の旺盛なスタミナを消耗させるためにも「序盤が大事。序盤にいかにダメージを与えられるかがカギになる。ボディーもそうだが、相手の嫌がる、気持ちを折るような展開に持ち込みたい」と戦略ををたてる。4ラウンドKOは望ましいが、本音は長丁場を想定しての組み立てを頭の中に描いている。
世界王者になり忙しい日々過ごしている。10月には後援者の紹介で千葉の「館山スポーツ大使」に任命された。来年1月25日に開催される「館山若潮マラソン」にゲストランナーとして参加する。「チャンピオンのままで行かないと格好がつかない。試合へのモチベーションにもなります」と笑った。
スパーリングパートナーはサンティアゴとの対戦経験のある岩田、元WBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟ら充実したメンバーとの実戦練習を重ねた。初防衛戦でいきなり統一戦を行うのはまれなケースであり、ジム側の大きな期待を背負っての一戦となる。「最近、SNSのコメント欄を見ていると『帝拳ジムは戦術のプランがないんじゃないか』『足を使う選手を仕留めきれない』というのを目にする。そういう声を自分が覆したい」と言い切る。ライトフライ級は今回がラストマッチ。無敗の23歳は、2つのベルトを手に、フライ級への転向を宣言するつもりだ。(近藤 英一)
◆高見 亨介(たかみ・きょうすけ)2002年4月5日、東京都新宿区生まれ。目黒日大高でインターハイ、国体優勝。アマ戦績は43勝4敗。22年7月にプロデビュー。25年4月に日本ライトフライ級王座を獲得。同年7月にエリック・ロサを下しWBA世界同級王座を獲得。プロ戦績は10戦全勝(8KO)。身長167センチの右ボクサーファイター。家族は両親と兄、妹。