五輪(オリンピック)柔道男子66キロ級2連覇の阿部一二三(28=パーク24)が5日、東京都内で練習公開し、7日に登場予定…

五輪(オリンピック)柔道男子66キロ級2連覇の阿部一二三(28=パーク24)が5日、東京都内で練習公開し、7日に登場予定のグランドスラム(GS)東京大会に向けて調整した。

今季の国際大会は世界選手権(ブダペスト)の銅メダルのみ。準々決勝でゼボフ(タジキスタン)に内股透かしで一本負けし、2019年のGS大阪以降、約6年続いた国際大会無敗記録が途絶えた。23年以来のGS東京で通算13度目の制覇で年末を締めくくれば、来年の世界選手権の代表入りにも大きく近づく。

「気持ちというか、自分自身との戦い。しっかり自分と向き合って調整してきた。(五輪で)3連覇を目指すにあたって、モチベーションだったり、年齢も28になって昔と違って体の部分と向き合うようにもなってきた。気持ちをどれだけ上げていけるかが大事になってくる」。

海外勢も油断はできないが、現在の世界ランキングトップは昨年のGS東京大会から国際大会3連勝中のチームメートの武岡毅(26=パーク24)。阿部が敗れた同選手権も制覇しており、今大会で優勝すれば、早期内定が濃厚となる。阿部としては阻止をしたい。プレッシャーについて聞かれると、「いや、あまりないです」。自然体だった。

半年前の黒星も「自分の中でリセットされたというか。ロスのオリンピック3連覇するに向けて、また一からのスタートかな」とすでに切り替えており、より隙のない柔道を磨くきっかけにもなったという。

7月には女子52キロ級の妹詩(25=パーク24)と米カリフォルニアで10泊12日の合宿を実施。2度目の「きょうだい同日V」を狙う3年後のロサンゼルス五輪に向けて、再び力を蓄えてきた。

前日6日は世界選手権王者に返り咲いた詩が、2年ぶりのGS東京優勝へ挑む。強き兄としてV字回復を描けるか。「隙のなくなった自分。投げに行く自分らしさを出していく」と誓った。【泉光太郎】