エンゼルス加入当初の米球界における大谷への評価は「打てない」だったという(C)Getty Images メジャーリーグ移…

エンゼルス加入当初の米球界における大谷への評価は「打てない」だったという(C)Getty Images

 メジャーリーグ移籍から8年。北の大地から世界へと飛び立った大谷翔平(現ドジャース)は、傑出した成績を残してきた。

 米球界でも「唯一無二」とされる投打二刀流の凄まじさは何よりも数字が物語る。

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 2024年に史上初の「50-50(50本塁打・50盗塁)もやってのけた打撃では、MLB通算で打率.282(1050安打)、280本塁打、669打点、165盗塁、長打率.582、OPS.956と軒並みハイアベレージを記録。一方で投手としても計100試合に先発(528.2イニング)して、39勝(20敗)をマーク。防御率3.00、WHIP1.08、奪三振率11.41と、2度も肘にメスを入れたとは思えない“エース級”のスタッツを残してきた。

 まさに規格外と言える。投打におけるここまでの支配的な活躍は、米球界の関係者たちも想像していなかった水準だった。

「あんなにも打てる選手とは思っていなかった」

 米誌『Forbes』のインタビューで、そう証言するのは、ドジャースの副スカウト部長を務めるデビッド・フィンリー氏だ。

 大谷がメジャー移籍を決断した2017年オフ、当時レッドソックスの人事部長を務めていたフィンリー氏は、二刀流スターの才覚に花巻東高校時代から惚れ込んでいた。実際に高校を訪ねてスカウトもしていたとも告白する同氏だが、当時は“ある懸念”から獲得を断念していたという。

「もちろん彼が普通の投手よりは格段に『打てる』というのは知っていた。だが、高校というアマチュアレベルでのバッティングと、プロ野球でのバッティングは全く質が違う。当時の私たちは彼が今のように打てる選手だとは見ていなかった」

 しかし、大谷は、年々身体が大きくなるにつれて、パワーも増加。さらに打撃スキルも洗練され、およそ「高校レベル」と言えないほどに向上した。

 2023年12月にはドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)の巨額契約を締結するなど、いまや彼の技量を疑う者はいない。ドジャースのフロントスタッツとなったフィンリー氏は、こう続けている。

「ショウヘイの凄さは知っていたが、まさにゲームチェンジャーなんだ。単なるMVPやスーパースターではない。ドジャースは彼を獲得したことでフランチャイズが変わった。本当に変わったんだ。これまでも強かったが、彼がチームに加わり、これほど世界的なスーパースターになったことは、本当に素晴らしいことだと思う。そして何よりも彼は素晴らしい人間なんだ。本当に面白い男で、イタズラ好きだけど、礼儀正しい。とにかく最高の奴さ。このスポーツにとってまさに唯一無二の存在だ」

「オオタニは打てない」――。かつて米球界に蔓延った見識を完全に改めさせた大谷。その事実も、彼のとてつもないポテンシャルを物語る一例と言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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