ラグビーの2027年W杯オーストラリア大会の1次リーグ(L)組み合わせ抽選会が3日、シドニーで行われた。世界ランク12…

 ラグビーの2027年W杯オーストラリア大会の1次リーグ(L)組み合わせ抽選会が3日、シドニーで行われた。世界ランク12位の日本はE組に入り、同5位のフランス、16位の米国、19位サモアと同組となった。抽選を受け、日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、65)が都内で会見。2大会ぶりの1次L突破へ自信をのぞかせた。大会は27年10月1日に開幕。11月13日の決勝まで計52試合が行われ、日程の詳細は来年2月3日に発表される予定。

 2年後の本大会へ、闘将の気持ちが高ぶった。日本はフランス、米国、サモアと同組となり、会見に臨んだジョーンズHCは「対戦相手が決まってワクワクした。満員の会場で観客も盛り上がる全てがベストなW杯。興奮する。“ザ・チーム”になり、4強に入れたらいい」と闘志を燃やした。

 自国開催だった19年大会の8強を超える初の4強入りを目指し、まずは1次L突破へ手綱を締める。同HCが前回、日本を率いた15年大会では初戦の南アフリカに最大限の準備をして臨み、「ブライトンの奇跡」と呼ばれる歴史的勝利。今回もW杯3度準優勝のフランスが立ちはだかるが、「明日から2年かけ3チームをどう倒すか。全ての準備をやり尽くしたい」と言葉に力を込めた。

 11月の欧州遠征では南アフリカなどと1勝3敗で現在地を知った。指揮官が自身の母国・オーストラリアでのW杯へ挙げた躍進のポイントが空中戦だ。「ルール変更がない限り、かなり大きな部分になる」。ボールを一度手放して再獲得し、攻撃の勢いを生み出すという戦術は現在の強豪国の強みとなっており、体格的に不利な日本にとっては課題のひとつでもある。

 過去一度も勝ったことがないフランスとは、来年新設されるネーションズ選手権で、7月に控える対戦が格好の腕試しの場となる。21歳のBK矢崎由高ら若手の成長にも期待し「矢崎がどれだけパフォーマンスを上げていけるか、楽しみ。ここからは対戦相手にフォーカスできる。初戦の相手が決まったら、さらにそこに意識を持っていくだけ。最高の準備をしたい」。着実に課題を克服し、新しい歴史の扉を開く。(宮下 京香)

 ◆エディーHCに聞く

 ―強豪フランスと同組になった。

 「大きいFWを2人で止めないといけない。密集周辺の防御も大事。ロングキックも世界一だ」

 ―米国、サモアの印象は。

 「米国はキックを多用してくる。サモアはぎりぎりで出場を決めたが、ベストメンバーがそろうのはW杯だ」

 ―残り2年で取り組みたいことは。

 「キック、ディフェンスを強化して手ごわいチームになりたい。オーストラリアの気候に適応するのも大事だ」

 〇…日本と同じE組に入ったフランスのガルティエ監督は初優勝を目標に掲げて「日本のことはよく知っているし、米国ともW杯で対戦したことがある。どの対戦相手にも敬意を持っている」と冷静に抽選結果を受け止めた。フランスのパリジャン紙(電子版)は「理論上、最も容易なグループの一つに入った」と評した。

 ◆ラグビーW杯オーストラリア大会組み合わせ(※カッコ内数字は世界ランク)

 ◆A組

ニュージーランド(2)

オーストラリア(7)

チリ(17)

香港(23)

 ◆B組

南アフリカ(1)

イタリア(10)

ジョージア(13)

ルーマニア(22)

 ◆C組

アルゼンチン(6)

フィジー(8)

スペイン(15)

カナダ(25)

 ◆D組

アイルランド(4)

スコットランド(9)

ウルグアイ(14)

ポルトガル(20)

 ◆E組

フランス(5)

日本(12)

米国(16)

サモア(19)

 ◆F組

イングランド(3)

ウェールズ(11)

トンガ(18)

ジンバブエ(24)