WBA世界バンタム級王者の堤聖也(29=角海老宝石)が、ビッグネームの“勝利予想”に発奮した。元5階級制覇王者で同暫定王…
WBA世界バンタム級王者の堤聖也(29=角海老宝石)が、ビッグネームの“勝利予想”に発奮した。元5階級制覇王者で同暫定王者のノニト・ドネア(43=フィリピン)との団体内統一戦(17日、東京・両国国技館)を控えた3日、都内で練習を公開。大みそかに次期挑戦者決定戦に出場する4階級制覇王者・井岡一翔(36=志成)の「堤選手が勝つ」の予想に「火がつきます」と“必勝”への決意をさらに強めた。
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堤の表情が少しだけ緩んだ。11月28日の次期挑戦者決定戦発表会見で井岡が「堤選手が勝つと思っている」と予想したことを問われた時だ。「ニュースで見た。うれしかったですね。しっかり勝ちたいと強く思ったし、勝てば面白いカード(井岡戦)が組める。火が付きます」。声に気合がこもっていた。
11月6日のドネア戦の発表会見で堤は「レジェンドの挑戦も受けたい」と、日本人初の5階級制覇を目指してバンタム級への転向を表明した井岡との対戦を希望した。一気に現実味を帯びてきたのが同28日。井岡とオルドスゴイッティ(ベネズエラ)のWBA同級挑戦者決定戦が発表された。
「今後(自分と)やる流れが強まるので、自分としてはありがたい」と堤。会見で井岡自身が語った「一番やりたいのは(WBC王者の)井上拓真選手。評価が一番高い」とのコメントには「悔しいですけど、客観的に見て拓真の方が上なんでまあまあ事実だと思います」と、少し不満げな顔を見せた。
井岡戦の実現にはまずは5階級制覇王者ドネアに勝つことが前提条件。43歳で衰えたとはいえ今も第一線の暫定王者。技術と強打、キャリアは大きな壁になる。「ワクワクするのと同じくらい怖い相手。自分の人生がどうなるかという怖さもある。それを全部受け止めて準備している」。堤はレジェンドを踏み台にして、レジェンドとの“ビッグマッチ”への道を切り開く決意だ。【首藤正徳】