◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 正規王者・堤聖也―暫定王者・ノニト・…

◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 正規王者・堤聖也―暫定王者・ノニト・ドネア▽WBA・WBO世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座統一戦12回戦 WBA王者・高見亨介―WBO王者・レネ・サンティアゴ▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者アンソニー・オラスクアガ―同級4位・桑原拓(12月17日、東京・両国国技館)

 WBA世界バンタム級正規王者の堤聖也(29)=角海老宝石=が3日、練習拠点とする東京・練馬区のDANGANジムで練習を公開。世界5階級制覇のWBA世界同級暫定王者ノニト・ドネア(43)=フィリピン=との2度目の防衛戦に向け「調整は現段階ではいつも通りうまくいっている。(相手が)ビッグネームなので、恐怖心と、楽しみなところと、いろんな気持ちが入り乱れている中での準備中という感じです」と話した。

 先月28日、同級転向を表明した元4階級制覇王者の井岡一翔(36)=志成=が今月31日にマイケル・オルドスゴイッティ(24)=ベネズエラ=とのWBA同級挑戦者決定戦に臨むことが発表された。かねてから同級での井岡との対戦にも意欲を示していた堤は「WBAの挑戦者決定戦って信頼性がよく分かっていないが、そういう名目でやるなら、今後やる流れが強まるっていうのは確か。こちらとしてはありがたいなという感じですね」と述べた。

 一方で井岡は、同級で対戦したい相手として「誰と一番やりたいって言えば拓真選手。評価的にも一番高い」と先月24日のWBC同級王座決定戦で那須川天心(27)=帝拳=を下して新王者となった井上拓真(29)=大橋=の名前を挙げた。これに対し堤は「悔しい部分っていうのはもちろんありますけど、客観的に見てボクサーとしての完成度は拓真の方が上なんで、まあまあ事実ではあるしなと。悔しいですけどね」と反骨心をのぞかせた。

 また井岡は会見で、堤とドネアの対戦について「堤選手が勝つと思っている」との予想を立てていた。「ニュースで見た。それは嬉しかったですね」という堤は「ちゃんとしっかり勝ちたいなっていう気持ちも強く思ったし、勝っていけばそういう面白いカードが組める。ほんと火が付きますよね」とドネア戦後のビッグマッチ実現を見据えた。

 また来年5月には、東京ドームで世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=とと前WBC&IBF世界バンタム級王者・中谷潤人(27)=M・T=の対戦が計画される。堤がドネア戦をクリアすれば、同興行で井岡やWBC王者・拓真との対戦が実現する可能性も出てくる。「出たいっていう気持ちはもちろんありますよ。だけど出たい、出たいでできるもんじゃない。大企業様がわれわれ中小企業を選んでくれるかというところなので。せっせと力を蓄えて選んでいただけるように頑張ろうと思います」と冗談交じりにドーム興行参戦にも意欲を見せた。

 堤は今年2月に比嘉大吾(志成)と引き分けて初防衛。その後、目の手術を受けたため、5月に医学的な理由などで防衛戦を行えない休養王者に認定された。復帰戦は当初、WBA世界同級正規王者アントニオ・バルガス(米国)との団体内王座統一戦が予定されていたが、バルガスは母親が亡くなったため試合への準備ができないとして対戦を辞退。堤が正規王者に返り咲き、バルガスが休養王者となった。

 戦績は堤が12勝(8KO)3分け、ドネアが43勝(28KO)8敗。