◆プロボクシング 「ナイト・オブ・ザ・サムライ」▽スーパーバンタム級(55・3キロ以下)12回戦 中谷潤人―セバスチャン…

◆プロボクシング 「ナイト・オブ・ザ・サムライ」▽スーパーバンタム級(55・3キロ以下)12回戦 中谷潤人―セバスチャン・エルナンデス▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦12回戦 統一王者・井上尚弥―アラン・ピカソ(12月27日、サウジアラビア・リヤド)

 米ロサンゼルスで強化合宿中のプロボクシング世界3階級制覇王者・中谷潤人(27)=M・T=に待望のベルトが届いた! 中谷はWBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王者だった今年6月、元IBF王者・西田凌佑(六島)との王座統一戦に6回終了TKO勝ちし王座を統一。その際に、米国で最も伝統と権威のある専門メディア「THE RING(ザ・リング)」からも認定ベルトが贈られることが決まった。その認定ベルトがなかなかとどかなかったが、2日(日本時間3日)、ロスでの練習中にリング誌のダグラス・フィッシャー編集長が突然姿を見せ、中谷にサプライズでベルトを直接、贈呈した。

 目を丸くしながらも、現実を悟った中谷の表情はみるみるうちに崩れ、笑顔でいっぱいに。ルディ・エルナンデス・トレーナーやWBO世界フライ級(50・8キロ以下)王者アンソニー・オラスクアガや親友のエイドリアン・アルバラード(ともに米国)らと記念撮影で喜びを分かち合った。

 リング誌は1922年、米国で創刊された専門誌(月刊)で、ボクシング界では最も権威があると認められている。同誌が制定したパウンド・フォー・パウンド(PFP)は、17階級(WBA、WBCはブリッジャー級を含め18)の全選手が同じ体重と仮定して、一番強い選手に与えられる呼称。PFPランキングは全階級を通じての最強ランキングで、89年に導入された。各階級でも認定ベルトが制定されており、主要4団体の枠を超えてランキングされるため、まさに階級最強の証しとされる。

 すでにバンタム級を“卒業”しているが、リング誌のベルトは子供の頃から憧れていたもの。「サプライズで贈呈していただき、うれしさと同時に光栄な気持ちでした」と中谷は素直に喜びを示した。世界3階級制覇王者は12月27日、サウジアラビアの首都リヤドでのWBC世界同級9位セバスチャン・エルナンデス(25)=メキシコ=とのスーパーバンタム級初戦に向けて現在、ロスでWBA世界同級2位のラモン・カルデナス(30)=米国=らを相手にスパーリングを重ねている。来年5月には東京ドームで世界4団体同級統一王者・井上尚弥(32)=大橋=との一戦が期待されているが、カルデナスは今年5月に井上と対戦。8回TKO負けしたものの、2回に左フックでダウンを奪っているだけに、これ以上のパートナーはいない。バンタム級で最強の証しをようやく手に入れた中谷は、新たな階級への挑戦、世界4階級制覇に向けて「合宿も残すところ、1週間程となりしっかり仕上げていきたいなと励みになりました」と気合を入れていた。