軽量級期待のアマチュア6冠ボクサー片岡雷斗(19=大橋)が1日、横浜市の所属ジムでプロ転向を表明した。今春、名門の習志野…
軽量級期待のアマチュア6冠ボクサー片岡雷斗(19=大橋)が1日、横浜市の所属ジムでプロ転向を表明した。
今春、名門の習志野高を卒業後、大橋ジムのアマチュア部門の所属選手として活動。当初は28年ロサンゼルス・オリンピック(五輪)出場を見据えていたが、適性ウエートの階級がなくなったことを受け、片岡は大橋ジム大橋秀行会長(60)にプロ転向を相談。来年3月にプロデビューすることが決まった。プロテストは12月5日にB級(6回戦)で受験。同門の先輩となる東洋太平洋ミニマム級王者石井武志(大橋)とスパーリングするという。
同日、大橋会長とともに会見した片岡は「もともとアマで五輪を目指していたが、適性階級がなくなりプロを意識した。大橋ジムのプロ選手の試合をみて(4団体統一スーパーバンタム級王者)井上尚弥選手の試合も生で見させてもらい、すごく衝撃的だった。あの舞台で戦いたいと思い、プロに行きたいと大橋会長にお願いした。自分として(プロ転向は)ちょうどいい時期だと思う」と抱負を口にした。
プロではミニマム級(47・6キロ)からスタートするという。通常体重も53~54キロ程度のため、最軽量級への減量は問題ないという。またこの1年間で現WBC世界同級王者メルビン・ジェルサレム(31=フィリピン)やWBA世界同級王者松本流星(27=帝拳)ともスパーリングを経験。片岡は「会長のおかげで、いろいろな方とスパーリングさせていただきました。手応えもあれば、これじゃダメだなという部分もあった。少ないラウンドですけど、世界王者になれるという自信は芽生えた」と手応えを口にした。
大橋会長は「50年ぐらいボクシングを見ているが、持っているものはすさまじいものがある。世界王者になるのは当然。複数階級もいけると確信している。本当は(世界記録)プロ3戦目で世界挑戦させたいぐらいの選手」と大きな期待を寄せられた。大橋会長の言葉を受け、片岡は「ミニマム級から始め、55キロ(スーパーバンタム級)あたりまでいければ。自分の体の成長はわからないですが、それぐらいいきたい。複数階級を狙いたい」と世界記録となる世界6階級制覇を目指す意向を示した。
プロデビュー戦の相手は世界ランカークラスが選ばれる見通し。大橋会長から「攻撃のスピード、ディフェンスのスピードが並外れている。天龍源一郎ではないが、愛称はサンダーストーム」と命名され「格好いい。うれしいですね」と歓迎した片岡は「やっていて周りの人達に夢と希望を与えられる選手になりたい」と理想のボクサー像を掲げ、プロの世界に飛び込む。【藤中栄二】