「競泳・ジャパンオープン」(30日、東京アクアティクスセンター) 男子200メートル個人メドレー決勝が行われ、世界選手…

 「競泳・ジャパンオープン」(30日、東京アクアティクスセンター)

 男子200メートル個人メドレー決勝が行われ、世界選手権代表の松下知之(20)=東洋大=が、1分55秒60の好記録で優勝した。「ふがいないレースが続いていて、集中し直して出せた結果だと思う。自己ベスト(1分56秒35)を超えられてよかった」と胸を張った。

 大先輩の言葉に背筋が伸びた。29日の400メートル個人メドレーは、秋の海外遠征など充実した日々を送ったことで「燃え尽きていた」と気持ちがのらず、自己ベストタイムから約5秒も遅れて5位に沈んだ。その結果を自身のSNSに投稿したところ、元世界王者の瀬戸大也(TEAM DAIYA)からメッセージが届き、「勝てよ。気持ちが乗らなくてもレースに臨まないといけない時がくる。(それでも)『松下にはかなわない』と思わせるレースをしないといけない」と激励されたという。

 松下は「それは瀬戸さんも感じていたことなのかな。トップの自覚を持たないといけないと思った」と奮起。この日は第1泳法のバラフライから先頭に立つと、その後もターンするたびに後続との差を広げる貫禄のレースを見せた。

 2025年の国内主要大会は終了。ここから愛知・名古屋アジア大会が開催される2026年に向けた強化が始まっていく。一皮むけたエースは「ここで負けたらロサンゼルス五輪で勝てないと思っていた。今回初めてレース前に自分のメンタルと体の状態を考えることができて、本当にいい大会だった」と実感を込めた。