フィギュアスケート女子で、GPシリーズ総合6位までが進出したファイナル(12月4~6日、名古屋)に初出場する中井亜美(…

 フィギュアスケート女子で、GPシリーズ総合6位までが進出したファイナル(12月4~6日、名古屋)に初出場する中井亜美(17)=TOKIOインカラミ=が28日、練習拠点とする千葉県船橋市の三井不動産アイスパーク船橋で練習を公開した。10月のGPシリーズ開幕戦、フランス大会で日本女子史上3人目の初出場優勝を果たした新星。来年2月のミラノ・コルティナ五輪代表を射程圏内に入れるホープが、意気込みを示した。

 急上昇中の新星が、夢の大舞台まで上り詰める。ファイナル初出場を決めた中井。ミラノ・コルティナ五輪へ「夢から目標に変わってきている」と、目の色を変えて練習に取り組んでいる。

 今季シニアデビュー。GPフランス大会で、紀平梨花、渡辺倫果に続く日本女子史上3人目のGP初出場優勝を果たすと、第3戦カナダ大会でも3位と表彰台を逃さなかった。ファイナル切符を獲得も「順位は気にしていない。自分がどこの位値につけるかは気になるが、まずはベストな演技ができるように」と語った。

 初の五輪も射程圏内だ。「行きたい気持ちはある」とは言うが「意識はしていない」という。「意識しすぎてしまうと自分の実力が発揮できないことが多かった」とあくまでも冷静。夢舞台が着実に近づいている中でも、足元を見ながら前へ進んでいる。

 五輪代表最終選考会となる全日本選手権(19~21日、国立代々木競技場)に照準を合わせて練習中。迎えるファイナルは全日本への“予行練習”。「全日本が一番大事な試合。良い演技をしたいという気持ちが今は強い」と、段階を踏みながら戦闘態勢に入る。

 楽しんで勝つことがポリシー。「スケートを始めたきっかけは楽しかったから。楽しまないと自分らしさが出ない」。武器はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)。底知れない伸びしろを持つ17歳が、最高の演技で世界に名を知らしめる。

 ◆中井亜美(なかい・あみ)2008年4月27日、新潟市出身。5歳でフィギュアスケートを始め、23年世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得した。24年ジュニア・グランプリファイナルも銅メダルを手にした。25年世界ジュニア選手権4位。今季からシニアデビューし、GPシリーズ・フランス大会で初出場優勝を果たした。GPファイナルは初出場。中庭健介コーチに師事する。通信制の勇志国際高千葉2年。趣味は音楽鑑賞。

 ◆GPファイナル 毎年10月から11月にかけて世界6カ国でGPシリーズ6戦を開催(今年はフランス、中国、カナダ、日本、アメリカ、フィンランド)。全6戦で、各大会の順位ごとに得られるポイントの総合成績上位6人のみがファイナルに出場できる。今年は12月4~7日に名古屋・IGアリーナで開催される。日本勢の優勝回数は、男子は羽生結弦が2013年から4連覇、女子は浅田真央が05、08、12~13年の2連覇を含めて、それぞれ4回が最多。

 ◆フィギュアスケートのミラノ・コルティナ五輪代表選考 各3枠の男女は全日本選手権の優勝者が自動的に代表入り。2人目は全日本2、3位やGPファイナルの日本勢上位2人、全日本終了時で国際スケート連盟公認のシーズン最高得点の上位3人から選ぶ。3人目は全日本終了時の世界ランキングや日本スケート連盟独自の国際大会ポイントの上位3人などを選考対象に加える。2枠のペアは全日本1、2位と全日本終了時の世界ランキング、シーズン最高得点の最上位から総合的な判断で選出する。