<大相撲九州場所>◇11日目◇19日◇福岡国際センター幕内経験者の人気力士で、西幕下17枚目の炎鵬(31=伊勢ケ浜)が、…

<大相撲九州場所>◇11日目◇19日◇福岡国際センター

幕内経験者の人気力士で、西幕下17枚目の炎鵬(31=伊勢ケ浜)が、2場所連続となる勝ち越しを決めた。互いに初土俵で前相撲だった17年春場所以来、8年ぶりの対戦となった、東幕下9枚目の上戸を寄り倒し。立ち合いすぐに左を差して下手を引くと、相手の横について持ち上げた。慌てた相手に何もさせず、流れるような動きで快勝し、4勝2敗とした。

「今場所はケガなく(終える)というのが1番でしたが、その中で勝ち越せたのは1つよかった。(気分は)いいですね」と、さわやかな笑顔を見せながら話した。この日は、計算し尽くされたような動きだったが「自然体でいた中で、思い通りの形になれた。勘、感覚が少しずつ良くなってきた。『無』になっていると、いろいろなことに気がいってしまいがちですけど、集中していきました」と、流れの中で自然と反応して勝ちきったと説明した。

勝ち越したことで、来場所は幕下15枚目以内に番付を上げることが濃厚となった。15枚目以内で全勝なら、再十両が確実。相撲を取るどころではないほどの、首の大けがで7場所連続休場し、序ノ口から再起して、来年はいよいよ関取復帰が見えてくる。それでも「早くいきたい気持ちもあるけど1歩1歩。たとえ(番付が)後ろに下がったとしても、前を向いてやりたい」と、焦りは禁物と自らに言い聞かせるように話した。

「あと1番。気の緩みのないように、ケガしないように、今まで以上に気を引き締めたいきたい」と、口元を引き締めて語った。もちろん、今場所残る1番も勝って、来場所の番付を、さらに上げたい気持ちは「人間、欲深いですからね」と、笑いながら否定しなかった。終始、落ち着き払った受け答えに、勝ち越したことの安堵(あんど)感を漂わせていた。