広島の育成・小船翼投手(19)が順調な成長曲線を描いている。秋季キャンプに参加している高卒1年目の身長198センチ右腕…
広島の育成・小船翼投手(19)が順調な成長曲線を描いている。秋季キャンプに参加している高卒1年目の身長198センチ右腕はプロ入り後から体重も10キロ以上増加。さらにフォーク、カットボールも新たに習得した。恵まれた体格から放たれるボールに新井貴浩監督(48)も目を細める。
小船には秋季キャンプで「ちょっと最初は力が入った」という出来事があった。キャンプ2日目でのブルペン投球。右腕の投球を20分以上にわたって見つめていたのは新井監督だった。投球後には2人で言葉も交わした。小船は「結構良いボールがいっていると言ってもらえた。そこは自信を持って、もっと練習しようと思います」と決意を新たにした。
新井監督も小船の成長に目を見張る。「ブルペンを楽しみに見に行ったんだけど、この1年で明らかに成長しているなって感じる。カットボールとスプリットは(1年目の)最初はなかったんだけど、途中から練習し始めてモノになりつつある」と評価した。
その中でも指揮官が声を大にして褒めていたのは練習に取り組む姿勢だ。「すごく真面目で、ファームのスタッフに聞いても『よく練習する』と。体重も(入団から)10キロ以上増えて、すごい良い体になっている」と賛辞を惜しまない。
猛練習を積むのには理由がある。「やっぱり育成の1番年下なので、最後まで練習しないとちゃんと見てもらえないので、そこでしっかり見てもらえるように」と小船は言う。今の立ち位置は高卒1年目の育成選手。ポーカーフェースの内に秘めるのは強いハングリー精神だ。
同期入団の菊地ハルンの存在が思いをさらにかき立てる。菊地は身長200センチで小船は198センチ。同じ超大型右腕として「知らないところでも比較されていると思う」という中、菊地は9月にプロ初登板を果たして1軍で4試合に登板した。「いい刺激をもらいながらやれているところはあるんですけど、『負けないぞ』という気持ちもあります。高め合えていければいいと思います」と力を込めた。
鍛錬の秋季キャンプが終わると、自身初となるオフシーズンに入る。「練習量とかは、実力とかでできるできないではなくて、やるだけなので。そこら辺は負けないようにと思っています」。猛練習を積んで、ライバルに追いつき、そして追い越してみせる。
◆小船 翼(こぶね・つばさ)2006年6月20日生まれ。19歳。神奈川県出身。198センチ、116キロ。右投げ右打ち。投手。静岡・知徳高から24年度育成ドラフト1位で広島に入団。4月4日のウエスタン・オリックス戦で2軍戦初登板。今季は同リーグで11試合に登板し、1勝1敗、防御率6・55。背番号123。