<国際親善試合:日本3-0ボリビア>◇18日◇国立森保一監督(57)がボリビア戦で代表史上初めて国際Aマッチ100試合目…

<国際親善試合:日本3-0ボリビア>◇18日◇国立

森保一監督(57)がボリビア戦で代表史上初めて国際Aマッチ100試合目を迎えた。自分にとって、あなたにとって、そして日本サッカー界を愛する人々にとって心に残る100分の1がある。3人の担当記者がオンリーワンの一戦を挙げた。

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平和とサッカーと森保監督-。24年6月11日、W杯アジア2次予選最終戦でシリア代表と対戦した。場所は被爆地ヒロシマ。爆心地に近い原爆ドームからわずか1キロほどのエディオンピースウイング広島が試合会場となった。まさに“ピース”がテーマとなった。

「日本全国の皆さまにサッカーを通して広島に足を運んでもらいたい。なぜかと言うと、広島は世界に2つしかない原爆被爆地という土地ですし、現在も世界で戦争、紛争が多く起こる中で悲しい思いをしている。尊い命を、街の皆さんが平穏で穏やかに暮らせるということを、平和を、考えていただけるからです」

もう1つの被爆地、長崎出身。自身のサッカー人生を花開かせた第2の故郷広島で唯一の日本代表戦の指揮だった。あかね色に染まったきれいな夕焼け空が印象的。会場に映し出された森保監督は君が代が流れる中、目に涙を浮かべた。

世界を見渡すと、サッカー熱の高い地域であれば一国の元首よりも人気が高い。サッカーという枠を超えて社会性やマナーまで、代表監督の影響力は大きい。そんな中、世界唯一の被爆国という歴史的観点、加えて自らのバックボーンを踏まえて森保監督は平和を願うメッセージを口にした。あらためてスポーツとは平和の上に成り立っていることを知る絶好の機会であり、森保監督だからこその「平和学習」ともなった。

試合も前節ミャンマー戦(5-0)で試した3バックを継続し、両ウイングバックの中村、堂安が両サイドから鋭い攻撃を繰り返して5-0と大勝。その後の最終予選でアジアを席巻し、現在に至る森保ジャパンのシステムを固めた。一つのターニングポイントとも言える忘れられない一戦となった。【佐藤隆志】