<フィギュアスケート:スケートアメリカ>16日(日本時間17日)◇女子フリー【レークプラシッド(米ニューヨーク州)=藤塚…

<フィギュアスケート:スケートアメリカ>16日(日本時間17日)◇女子フリー

【レークプラシッド(米ニューヨーク州)=藤塚大輔】渡辺倫果(23=三和建装/法大)が2位となった。

ショートプログラム(SP)首位で迎えたフリーで3位の136・61点とし、合計210・96点。昨季世界選手権女王のアリサ・リュウ(米国)に逆転を許して3・31点及ばなかったが、来年2月のミラノ・コルティナ五輪代表3枠の選考に関わるグランプリ(GP)ファイナル(12月4~7日、名古屋)進出へ望みをつないだ。出場する6人は、グランプリ(GP)シリーズ最終戦の第6戦フィンランド大会(21~23日)で確定する。

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渡辺が耐えた。4分間の演技を終えると「疲れて死にそうだった」と氷に膝をついた。

主要国際大会では初めてSPで首位に立ち、フリーは最終滑走で登場。緊張に襲われながらも今季自己最高得点で2位となり、GPシリーズ第2戦中国杯3位に続いて2戦連続表彰台に立った。「悔しさは残りながらも、自分がやるべきことはできた」とうなずいた。

己を奮い立たせるため、演技前に中庭健介コーチに「私の生き様を見てください」と伝えた。

「覚悟を決めるためです。言葉には責任が伴う。自分を強く持って挑みたかったので」

女子では異例の大技トリプルアクセル(3回転半)2本構成で臨み、1本目は成功。2本目はミスとなったが、スピンとステップシークエンスは全て最高難度の「レベル4」でそろえて減点を最小限にとどめた。

「豆腐メンタル」と自称する課題の精神面も「スポンジくらいにはなった」と笑い飛ばし、持ち前のユーモラスな表現で成長を表した。

初の五輪へ前進となるGPファイナル進出は、同シリーズ第6戦フィンランド大会の結果次第となる。残る切符は3枚。日本勢はすでに進出決定の中井亜美と坂本花織を含め、最大5人が出場する可能性がある。

大激戦のサバイバルレースで踏みとどまった渡辺は「あとは神頼みしかない」と祈る思い。五輪最終選考会の全日本選手権(12月19~21日、東京)を見据えつつ「モチベーションを切らさず、次はトリプルアクセルを(SP含めて)3本全て決めたい」と力を込めた。