「広島秋季キャンプ」(16日、日南) 広島・高太一投手(24)が16日、異例の投げ込みを敢行した。15日の練習試合・ロ…

 「広島秋季キャンプ」(16日、日南)

 広島・高太一投手(24)が16日、異例の投げ込みを敢行した。15日の練習試合・ロッテ戦(都城)に先発し、3回32球で4安打3失点。この日は登板翌日にもかかわらず、ブルペンで208球を投げ込んだ。2日間で計240球を投げ、フォーム固めに取り組んだ姿勢を新井監督も評価。今季3勝の若鯉が、飛躍への下地を整えていく。

 ひたすら腕を振って、現状打開への道筋を模索した。貪欲に自分自身を追い込み、高はブルペンでプロ入り最多の208球を投げ込んだ。「終わろうと思ったタイミングで、すごくいい感覚があったので追加で投げました」と意図を説明した。

 左腕は15日の練習試合・ロッテ戦に先発して3回で32球を投じた。先発登板翌日の練習日は、軽めの調整になることが一般的。だが、自発的にブルペンへ向かった。「僕は10球、20球で覚えられる人間じゃない。数を重ねないとできない。少しずつだけど、ようやく『こういう形は正解かな』と分かり始めています」。2日間で計240球を投じた過程に、来季に懸ける熱意が凝縮されている。

 修正点は上半身の開き。「上体だけで投げようとして体が開く状態が、秋季キャンプで続いている。疲労の影響は大きいと思うけど、そこは体力不足。球数を投げると自然と足から投げる投げ方が身に付いてくる。そういう意識を持って投げました」と下半身主導のフォームを反復して、習熟度を高めた。

 15日は4安打3失点。二回先頭の山口に四球を与え、寺地に右中間を破られる適時三塁打。三回も2死一、二塁から山口を四球で歩かせて、寺地に2点左前適時打を浴びた。「レベルの高い打線相手に、今の自分がここまでしかできていない。技術的にも劣る部分がたくさんある」と冷静に自己分析した。

 10日の練習試合・侍ジャパン戦も五回から登板して3回5安打6失点。阪神・森下、ソフトバンク・野村に被弾し、ホロ苦い結果になった。同戦の映像を確認し、球界トップクラスの投手陣と自分を比較した。「相手投手陣と比べて球がいってなかったし、変化球の精度が悪かった。それを埋めるためにどうしていけばいいのか、考える契機になった」と課題が出たことをプラスに捉えた。

 新井監督は「頭でああでもない、こうでもないと考えて終わるのではなく、実際に行動して汗をかいてる点は評価しています」と目を細めた。

 今季は8試合で3勝2敗、防御率2・58。来季は開幕ローテ入りを目指す立場にある。「やっぱり投げて分かることがたくさんある。球数を多く投げ込みたい」と、18日からの最終クールでも1回か2回はブルペンにこもる予定。妥協を許さず、理想のフォームを体に染みこませていく。