<強化試合:侍ジャパン7-7韓国>◇16日◇東京ドーム韓国代表の金周元(キム・ジュウォン)内野手が亡き祖父に捧ぐ劇的同点…
<強化試合:侍ジャパン7-7韓国>◇16日◇東京ドーム
韓国代表の金周元(キム・ジュウォン)内野手が亡き祖父に捧ぐ劇的同点弾を放った。
1点を追う9回2死無走者の場面。侍ジャパン大勢投手(26=巨人)が投じた155キロ直球を捉えて右中間スタンドへ。土壇場で日韓戦11連敗を阻止するアーチとなった。
試合後の会見では、韓国メディアから祖父が亡くなったことを問われたが、金周元は言葉を詰まらせた。柳志炫(リュ・ジヒョン)監督が水を飲ませて落ち着かせようとしたが、目を赤く腫らせて涙を流し、上を向いた。柳志炫監督は「もう少ししてから、お答えしたいと思います」と助け舟を出し、別の質問に対して約1分間回答。その間に落ち着きを取り戻した金周元が、あらためて口を開いた。
「実はですね、日本に入国した翌日に祖父が亡くなったという知らせを聞きました。両親は『まず今は試合に集中しろ』と言ってくれました。僕自身、祖父を直接見送ることができなかったので、プレーを通して祖父を送りたいという、そういった思いもありました。そういった意味で、今回の試合というものは本当に自分の持てるものを全て注ぐ、そういった思いで臨んだわけなんですけれども、最後の打席でいい結果を出すことができた。そういった意味で祖父をきちんと送ることができたのではないのかなという風に思っております」
秘めていた思いを赤裸々に語った。
柳志炫監督も「僕自身も知ってました。国際大会でないならチームも(祖父の元へ)送り出したが、私自身(金周元の)両親の話も聞いていた。全てが重なって素晴らしい結果を残せたのではないか。WBCにおいても素晴らしい結果を出せると信じてます。もう1度、金選手には感謝したい」と話した。