フィギュアGPシリーズ第5戦スケートアメリカ◇15日(日本時間16日)◇第2日◇ペアフリー【レークプラシッド(米ニューヨ…

フィギュアGPシリーズ第5戦スケートアメリカ◇15日(日本時間16日)◇第2日◇ペアフリー

【レークプラシッド(米ニューヨーク州)=藤塚大輔】愛称「りくりゅう」こと三浦璃来(りく、23)木原龍一(33)組(木下グループ)が、GPシリーズ連勝を飾った。フリーで141・57点、合計215・99点。ショートプログラム(SP)2位から逆転V。10月の第1戦フランス大会に続く連勝で上位6組のGPファイナル(12月4~7日、名古屋)進出を決めた。GP連勝した22-23年シーズンは、世界選手権を含めて主要タイトルを独占。来年2月のミラノ・コルティナ五輪金メダル候補が、パーフェクトイヤーの再現に向けて、滑り出した。

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2人がまた1つ、目標をかなえた。序盤に2人が横並びで跳ぶ3連続ジャンプが1本になるミスはあったが、その後は全ての技を成功。終わってみれば、2位に20・26点もの大差をつけた。トップ6組が集うGPファイナルの出場権も獲得。8年ぶりの日本開催は、木原の地元の愛知が舞台。「(8年前)ファイナルは夢のようで、縁がないと思っていた。そこに璃来ちゃんと出場できてうれしく思う」とかみしめた。

ペアは男女2人1組でジャンプを跳んだり、男子が女子を持ち上げながら滑ったりして、技の出来栄えや表現面を競う競技。木原は13年、三浦は15年にシングルから転向し、19年から「りくりゅう」が結成された。2人そろって口にする「スピード」を武器に、22年北京五輪で日本勢最高の7位。翌22-23年は国際スケート連盟(ISU)主要国際大会のGPファイナル、4大陸選手権、世界選手権を制して、日本勢初の「年間グランドスラム」を達成した。昨季も世界選手権を2季ぶりに制している。

日本ペアの新しい道を切り開いてきた2人。五輪金メダル候補で迎える今季は、これまでの歩みに重ねるように「1つ1つの試合を大切に」と挑んでいる。GPシリーズ連勝は「年間グランドスラム」を達成して以来3季ぶりで、五輪シーズンに「金ロード」の再現に向かう。カナダを拠点に活動し、21年には出場権を得ていた大阪でのGPファイナルがコロナ禍で中止となっただけに「初の日本でのファイナル。行くことができてうれしい」と三浦も素直に喜んだ。

12月のGPファイナルは、五輪前哨戦とも位置付けられる。木原は「(五輪の)評価の対象になってくると思う」と見通した上で「絶対に勝たないといけないプレッシャーはない。うまくいかなくても、怒らない、イライラしない。『結局、大丈夫だから』と捉えられれば良いかな」。明るく前向きな性格も2人の強み。勝負のシーズンも、自然体で突き進む。

◆りくりゅうの22-23年シーズン GPシリーズ第2戦スケートカナダ、第5戦NHK杯で2連勝。シリーズ上位6組によるGPファイナルに進出した。勢いのままGPファイナル、4大陸選手権、世界選手権と3大会連続で初優勝。出場した試合は全勝、同一年度にISU主要3タイトルを総なめする「年間グランドスラム」を、日本勢で初めて達成した。大きく飛躍したシーズンとなった。

◆木原龍一(きはら・りゅういち) 1992年(平4)8月22日、愛知県生まれ。中京大中京高-中京大卒。4歳で競技を始め、20歳でペア転向。高橋成美と14年ソチ五輪18位、須崎海羽と18年平昌五輪で21位。趣味は野球。174センチ。

◆三浦璃来(みうら・りく) 2001年(平13)12月17日、兵庫県生まれ。大阪・向陽台高-中京大。5歳で競技を始め、15年にシングルからペアへ転向。市橋翔哉と世界ジュニア選手権などに出場し、19年に木原とペアを結成。趣味は香水集め。146センチ。