<SVリーグ:デンソー3-0埼玉上尾>◇16日◇第6節第2日◇宝来屋ボンズアリーナ(福島・郡山)新戦力とエースが躍動した…

<SVリーグ:デンソー3-0埼玉上尾>◇16日◇第6節第2日◇宝来屋ボンズアリーナ(福島・郡山)

新戦力とエースが躍動した。デンソーエアリービーズが埼玉上尾メディックスに3-0のストレート勝利で、連敗を3でストップした。下北沢成徳(東京)から今季新加入したミドルブロッカー柳千嘉(19)の速攻がさえ、9得点の活躍。オポジットのロザマリア・モンチベレル(31)も20得点でエースの貫禄をみせた。フルセットの末、逆転負けを喫した前日の雪辱を果たした。

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新しい武器と持ち前の高さで存在感を表した。シーソーゲームの第1セット(S)、OH山下のクロススパイクなどで19-14とリードを広げたところで、柳がクイックを決め突き放す。第2、3Sにも終盤の要所でクイックをコートに沈めた。ブロック得点は1点も、両サイドに飛び回り圧力をかけた。柳は「前日に悔しい負け方をしてしまって、1本1本の丁寧さを意識してプレーして、勝ち切ることができてうれしい」とほほえんだ。

名門・下北沢成徳でプレーし、今年1月の春高バレーでは準優勝に大きく貢献した。高いブロック力が評価され、今季から国内最高峰のSVリーグでキャリアをスタートさせたが「SVリーグはトスが分散してスピードも速いところで難しさを感じている」と順応に励んでいる最中だ。

一方で、高校時代にはあまりやらなかった速攻にもチャレンジ。8月に出場したU21世界選手権も経て「世界の高さに対しても、自分は通用できるんだなと自信になった部分もありましたし、このリーグでも高さは通用するけど、もう少し速さが必要だなと毎日感じながら取り組んでいます」と成長を続けている。前日15日に先発デビューし、この日2度目の先発でコートに立った。辻健志監督(51)も「日本代表に選ばれた選手たちにも臆する事なく、自分の良いところをこの2試合通して出してくれた」と賛辞を贈った。

柳は「まだコートに入りたてですが、落ち着いてプレー出来ているのは良いところ」と充実感を漂わせながら、「サイドに頼るだけではなくてミドルからもいろんな攻撃ができる、仲間から信頼される選手になっていきたい」。頂点を目指すチームに新風を吹かせていく。【高橋香奈】

◆柳千嘉(やなぎ・ちか)2006年(平18)4月6日生まれ、千葉県出身。小3からバレーを始める。東京・下北沢成徳では24年全国高校選抜に選出、25年春高バレーの準優勝に貢献。25-26シーズンからSVデンソーに所属。25年8月にはU21世界選手権に出場し準優勝に貢献。184センチ。ポジションはミドルブロッカー。背番号は15。シャツネームは「YANAGI」。