「ONE」(16日、有明アリーナ) 初参戦した元K-1スーパーライト級王者の安保瑠輝也(30)は、元K-1スーパーウェ…
「ONE」(16日、有明アリーナ)
初参戦した元K-1スーパーライト級王者の安保瑠輝也(30)は、元K-1スーパーウェルター級王者マラット・グレゴリアン(34)=アルメニア=に判定0-3で敗れた。安保は前日計量でONEならではのハイドレーションテストの基準値と体重を両方クリアできず、計量失格。ただ、グレゴリアンの同意を得て、安保がファイトマネーの30%を支払うことで、キャッチウェイトでの試合が成立となったが、パワーで押されての完敗で「(相手が)強かったです。自信を持って近い距離でもテクニックでも勝つと決めていたが、素直に強かったですね」と意気消沈。ONEの参戦目的だった野杁正明との雪辱戦も遠のき、「そこ(今後の目標)も考えたい」とうなだれた。
ONEデビュー戦となった安保は1回から二段蹴りなど鋭い攻撃を披露。激しい打ち合いを展開したが、2回からプレッシャーを強めてきたグレゴリアンと接近戦となり、安保の動きが止まり始める。ケージに押し込まれる展開が続き、3回もグレゴリアンの猛攻に押し込まれ、最後は防戦一方となった。「(相手の)パンチが強いとかはなかったが、軽く殴っても相手をのけぞらせる体の強さ。言語化できないが、初めての体験だった」と振り返った。
前日は格闘家人生で初の計量失格となり、対応に追われたが、コンディションの影響は否定。「あの(計量)後は、万全の状態。リカバリーは遅れたが、(夕方の)フェイスオフにも出ずに食事もちゃんと取っていたので、万全の状態で負けたという素直な気持ち」と潔く認めた。
SNSでは「計量で失敗するときは格闘技を辞めるとき」という過去の発言を掘り返され、ブーメランとして返ってきたが、自身もXで「俺の引退試合楽しんでください」と悪ノリで投稿。期せずして注目を集めたものの完敗に終わり、「今は終わったばっかりでなんとも言えない。過去にそういう発言をしていたので、一周回って(今大会は)そこに注目された。そこ(進退)に関して特に何も考えはない。ここで言及することはない」と、いつもの冗舌トークは鳴りをひそめた。
近年はボクシング強化に注力。約2年2カ月ぶりのキック戦だったが、「(キックも)出たのは出たけど、正直そこも改善点は試合中にも山ほど見つかった。パンチも打ち方の質、力の伝え方の質みたいなところも多少変えていかないといけないと感じた。僕の良さでもあるが、スピードだけじゃないところで」と反省しきり。カード決定からの準備期間の短さについては否定し、「万全の準備をして、何カ月も前から決まっていることなので、あれが僕の実力です」とキッパリ認めた。