◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(16日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー7…

金子駆大は祝福のウオーターシャワーで今季2勝目を喜んだ

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(16日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)◇晴れ(観衆1万1256人)

スタート時に5打あったリードを安全に守り切ろうとは思わなかった。最終日に立てた目標は、“5つ伸ばし”の通算20アンダー。それでいて、無謀に攻めたりはしない。金子駆大は出だし1番でパーを拾い、緊張感を手なずけてからも丁寧にコースを攻略した。

6mを沈めた2番から2連続バーディを奪った後、訪れたピンチも冷静に乗り切った。ティショットを右サイドの林に突っ込んだ6番。木々の間を通してフェアウェイに出した後、残り65ydの3打目をウェッジでピン奥から戻して“OK”に寄せた。後続1番手のイ・サンヒ(韓国)に3打差に迫られて迎えた9番では4mの下りフックを流し込んでボギーを免れ、拳を力強く握って逆に差を広げた。

後続に6打差をつけて伝統の一戦を制した

プロ初優勝だった5月の「関西オープン」に次ぐ今季2勝目へのカウントダウンが始まったのは、2パットパーで締めた14番だったという。例年以上のスピードが出た高速グリーンで2日目以降ボギーをたたかず、この日は「68」。終わってみれば通算17アンダーで2位に6打差、パー70設定での「263」は大会記録を4打も更新した。

「すごくラッキーもありながら…という感じだった」1勝目とは一味違う、「2日目からほぼ完璧なゴルフができた」2勝目をかみ締める。2位だった賞金ランキングは生源寺龍憲を抜いてトップに浮上。残りは3試合で、賞金王初戴冠の可能性が現実味を帯びてきた。

ショットが終始安定

シード選手としてまだ2年目、23歳にして、スイングコーチにパッティングコーチ、トレーナーと契約し万全のチーム編成を整える。「コーチに自分で投資して、うまくいっているのかなという感じがします。お金をかけて良い結果が出るならそれでいいかなって」とプロゴルファーとしての出費を惜しまない。

今年に入って、大事にすべき言葉ができた。「恥ずかしいっすね…」と照れながら、『コツコツが勝つコツ』と明かした。ステディなプレースタイルは、小さな積み重ねの価値を体現したものでもある。

シード2年目にして賞金王に大きく近づいた

賞金ランクトップの座を次週の「ダンロップフェニックス」(宮崎・フェニックスCC)終了時まで守れば、来季の米ツアー出場権を争う予選会に最終から参加できる。将来の「PGAツアー優勝」をキャリアの目標に掲げる中、受験については「もうちょっと考えようかなと思います」と態度を保留した。「やっぱり賞金王というのもすごく獲りたい。賞金王になればDPワールドツアー(欧州ツアー)にも出られるので」。目の前には今、たくさんの選択肢がある。(静岡県御殿場市/桂川洋一)