<大相撲九州場所>◇8日目◇16日◇福岡国際センター第63代横綱からしこ名を受け継いだ、モンゴル出身で本名バトツェツェゲ…
<大相撲九州場所>◇8日目◇16日◇福岡国際センター
第63代横綱からしこ名を受け継いだ、モンゴル出身で本名バトツェツェゲ・オチルサイハンの旭富士(23=伊勢ケ浜)が、堂々の立ち居振る舞いで新序出世披露に臨んだ。
先代旭富士で先代師匠でもある、宮城野親方(元横綱)が現役時代に着けていた「ペガサス」のデザインに「東京旭富士後援会」と刺しゅうされた化粧まわしを着用。3日目から始まった前相撲は3戦全勝で、全4人の新序力士の中で、真っ先にしこ名を呼ばれると、観客席に向かって深々と一礼した。最後は他の3人とともに、四方に向かって頭を下げ、最後まで堂々とした顔つきのまま土俵を降り、その後は日本相撲協会の各部署などをあいさつ回りした。
宮城野親方によると「本人が『親方のを使いたい』って言うから、『いいよ』って言った」とのことで、実現した。横綱のしこ名を受け継いで、前相撲に臨んだのは極めて異例。さらに借り物ながら、新序出世披露に、自身のしこ名が記された化粧まわしを着けて臨むんだのも、珍しいケースとなった。
昭和の最後から平成の最初にかけて活躍した、先代旭富士の化粧まわし。短く見ても、35年以上は前に製作されたと想定されるが、保存状態は良く、紺地をベースに銀色のペガサスが羽ばたくデザインは目を引き、花道脇の通路で出番待ちしている間、すれ違う力士が何人も、立ち止まって、食い入るように化粧まわしを見入っていた。“史上最強の新弟子”の呼び声が高いだけに、相撲関係者の中でも、自然と注目される存在となってきた。