ノルディックスキー・ジャンプ女子の伊藤有希(31=土屋ホーム)が16日、W杯遠征のため、欧州に向けて新千歳空港から出発し…

ノルディックスキー・ジャンプ女子の伊藤有希(31=土屋ホーム)が16日、W杯遠征のため、欧州に向けて新千歳空港から出発した。4度目出場を狙う26年ミラノ・コルティナ五輪シーズンが本格的にスタートする。「夏からずっと冬のジャンプを楽しみにしていたので、すごくワクワクしている」と胸を高鳴らせた。

夏場は国内大会でも表彰台を逃す試合もあり、苦戦した。だがそれは、滑りが良く、夏より加速する冬仕様の助走路への対応を見据えていたためだった。「夏は体づくりが例年になくうまくいった。それだけにジャンプの技術とのかみ合わせに時間を要した」と振り返る。

冬仕様の助走路(アイストラック)で実施された9日の全日本選手権ノーマルヒル(札幌市宮の森)で優勝。遠征前ラストの大会で結果を残し、勢いづく。「最後の最後、アイストラックに上がってから調子が良くなってきた。自分のイメージともかみ合っているし、(ジャンプが)夏のレールに合ってしまうことほど怖いことはないので、そういう意味ではプラス要素」と前向きだ。

W杯リレハンメル大会(21日開幕)から、五輪に向けた戦いが始まる。W杯個人通算239戦出場。今季中に250戦を達成する見込み。「オリンピックイヤーということで、開幕の1戦1戦が自分の4度目の挑戦、オリンピックにつながっていく」と気を引き締める。

帰国は年明けになる予定。年賀状の準備を完了させてから出発した。年賀状1枚1枚に手書きのメッセージを添え、勝負の26年を迎える準備は完了。過去3度の五輪では個人7位、9位、13位。2月の大舞台へ「4度目、今度こそはっていう思いはある」と意を強くした。【保坂果那】