ドジャース大谷翔平投手(31)の次なる夢は…。3年連続4度目のMVPに選出された大谷投手。ドジャース担当の斎藤庸裕記者が…
ドジャース大谷翔平投手(31)の次なる夢は…。3年連続4度目のMVPに選出された大谷投手。ドジャース担当の斎藤庸裕記者が、コラム「Nobu’s Eye」で考察する。
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無限の可能性-。そのワクワク感が、大谷の向上心の源なのだろう。4度のMVPは全て満票。昨年は本塁打と打点の2冠に加え、前人未到の「50-50(50本塁打&50盗塁)」を達成した。一方で、投手では無冠。完全復活が期待される来季、同僚の山本とともに日本人初のサイ・ヤング賞へ期待がふくらむ。
かつて本塁打王をあえて狙うと公言したこともあったが、個人タイトルを意識することはほぼない。MVP受賞後の電話会見では次なる個人の目標について、こう答えた。
「楽しみ、みたいな感覚の方が強い。1年間まずはフルで(先発ローテーションを)回ってみないことには分からないっていうのもありますし、ここ数年、打席ではそれができてるので。出続けるっていうのは大変なことですけど、そういうところをしっかりやれば、おのずとそういう数字が出てくると思う。まずはそれを目標にするっていうのは、楽しみにしたい」
今季は打者として本塁打数でシュワバーに1本差で敗れたとはいえ、投手でもチームに貢献した。満票MVPは、二刀流の価値の高さを示していると言える。一方で、投手大谷が思い描く理想までは道半ばで、明確に課題も残った。過去8年、二刀流でフル稼働できたのはエンゼルス時代の22年シーズンのみ。同年は62本塁打でシーズン本塁打記録を塗り替えたヤンキースのジャッジがMVPに選ばれた。
28歳だった当時とは違い、年齢を重ね、生活環境も変わった。常勝が求められる中で、再び挑戦するフルシーズンの二刀流。どこまでできるか、大谷自身にとっても未知の領域になる。そんな状況をプラスに捉え、「楽しみ」と口にする。予測できないからこそ、面白い。大谷の魅力はそこにもある。【斎藤庸裕】