「大相撲九州場所・6日目」(14日、福岡国際センター) 新関脇安青錦が5勝目を挙げた。入門前に関大相撲部で稽古を積んで…
「大相撲九州場所・6日目」(14日、福岡国際センター)
新関脇安青錦が5勝目を挙げた。入門前に関大相撲部で稽古を積んでおり、関学大出身の宇良との“関関戦”を寄り切りで制した。横綱大の里は平戸海を押し倒し、全勝だった平幕藤ノ川が御嶽海にはたき込まれたため、6連勝で単独トップに立った。横綱豊昇龍は若元春の立ち合い変化に屈し、痛恨の2敗目で金星を配給。大関琴桜は玉鷲に送り出され、4敗目を喫した。全勝大の里を、1敗で安青錦ら6人が追う。
安青錦は立ち合いもろ手で宇良を突き放した。頭を下げて押し合い、いなしに崩される場面もあったが耐えた。「自分より低い相手。焦らず少しずつ。我慢できて良かった」。左四つに組み止め、力強く寄り切った。
2022年4月に戦禍のウクライナから来日。関大相撲部の山中新大主将(現大学職員)を頼って相撲部で汗を流し、同年12月に安治川部屋入り。稽古場に本名ヤブグシシン・ダニーロの名札が掲げられている。10月には関大OBらの呼びかけで大阪後援会が発足した。
毎年夏に非公式戦で関大と関学大運動部の対抗戦「総合関関戦」が実施。22年6月、試合勘を鈍らせないよう、安青錦が同大会に出場する予定だったが、直前の体調不良で見送られた。
関学大出身の宇良との取組に「自分は(関大に)入学していないので同じふうにしたら、ちょっと失礼になる」と冷静だった安青錦。前日は若隆景に黒星を喫したが「悔しがっても意味はない。切り替えた」と、再スタートを切った。