【ラスベガス(米ネバダ州)13日(日本時間14日)=四竈衛】MLBのGM(ゼネラルマネジャー)会議が終了した。ポスティン…

【ラスベガス(米ネバダ州)13日(日本時間14日)=四竈衛】MLBのGM(ゼネラルマネジャー)会議が終了した。ポスティング制度でのメジャー移籍を目指すヤクルト村上宗隆内野手(25)の交渉は、来週中にも本格化する見込みとなった。フィリーズ、マリナーズのほか、一塁やDHの補強を目指す複数球団が強い興味を示しており、12月22日(同23日)の交渉期限まで激しい攻防が繰り広げられそうだ。

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日本トップの長距離砲を巡る動きが、水面下で静かに進行し始めた。現時点では表面化していないものの、有力FA選手に提示されたクオリファイングオファー(QO)の返答期限でもある18日(同19日)後に、市場に全選手が出そろうこともあり、各球団と村上との交渉も一気に加速化する見込みだ。単年契約のQOを受けた13選手でオファーを受け入れる選手はごく少数と見られており、19日以降、FA市場が実質的に「オープン」する。

8日にポスティングの正式申請を終えた村上に対しては、すでに複数球団がアプローチを開始した。中でも熱い視線を送っているのが、ナ・リーグ東地区を2連覇し、4年連続ポストシーズンに進出しているフィリーズ。DHのシュワバーがQOを拒否することは確実で、他球団へ移籍すると、空席となる。一塁ハーパーをDHで併用するプランを含め、村上は最適のピースとなる。GM会議を終えたドンブロスキー編成本部長は「私は今年、日本に行っていないが、かなり多くのスタッフ、スカウトを送り込んだ」と、詳細調査を終えた状況を明かした。

すでに村上側との接触を認めたマリナーズの熱意もフ軍に引けを取らない。FAとなった一塁ネイラーとの残留交渉を進める一方、三塁スアレスの退団が濃厚でもあり、「一塁、三塁、DH」と起用法に幅のある村上を徹底マークする姿勢は変わっていない。過去数十年、日本球界とのパイプも太く、会長付特別アドバイザーのイチロー氏の存在もあり、争奪戦の最終局面では大きな強みとなる可能性も高い。

このほか、FAとなった一塁アロンソの動向が不透明なメッツ、内野の補強を進めるブルージェイズなどが参戦する見込み。各球団とも資金面は潤沢で、常にポストシーズン争いに加わる強豪でもあり、村上にとっても魅力的な球団が並びそうだ。