「大相撲九州場所・5日目」(13日、福岡国際センター) 草野から改名した義ノ富士が、熊本の同郷で少年相撲クラブの先輩、…
「大相撲九州場所・5日目」(13日、福岡国際センター)
草野から改名した義ノ富士が、熊本の同郷で少年相撲クラブの先輩、正代を寄り切った。ご当地場所の大歓声に包まれ、4勝目を挙げたホープが、中盤戦への期待を膨らませた。横綱は大の里が若元春を寄り倒し無傷5連勝、豊昇龍は平戸海をはたき込み4勝目。大関琴桜は宇良に寄り切られ3敗目。関脇安青錦は若隆景に送り倒され初黒星を喫した。全勝は大の里、藤ノ川の2人となった。
ご当地力士同士の初顔合わせ。声援は上回られたが、義ノ富士が大関経験者の正代を撃破した。「重い。一発で持っていかれた。これから何回もやると思うけど、初めてで勝てたのは率直にうれしい」と喜んだ。
立ち合いから土俵際に押し込まれ、左上手を頼りに振って体を入れ替え、寄り切った。大歓声も「集中していたのでいつも通り。体がうまく動いた」と落ち着いていた。
宇土少年クラブの10学年後輩。同じ鶴城中に通った。小学生の時、当時東農大の正代と一緒に食事をしたが「年が離れているので全然誰か分からなかった」と述懐。元競輪選手だった父の真一さん経営の「焼肉草野」に度々、正代が訪れており「父の方が詳しい」と語るが、中学進学後は「すごい先輩がいる」と耳にしていたという。
今場所、しこ名を本名の草野から改名。「焼肉草野」は地元で注目を集め、北海道の建設会社、草野作工からは連日懸賞がかかる。「名前が変わっちゃったけれど」といたずらっぽく語る。10月のロンドン公演は右足の負傷で不参加。SNSで騒がれた「パスポート不備が理由」というデマを笑い飛ばす感性の持ち主でもある。
1敗で臨む中盤戦。熊本出身では正代に続き2度目の優勝へ期待がかかるホープは「右足は前に出れば大丈夫。今日みたいだと危ない」と気を引き締めた。