全国高校サッカー選手権県大会決勝が15日、IAIスタジアム日本平で行われる。6月の県総体決勝と同カードとなった頂上決戦は…

全国高校サッカー選手権県大会決勝が15日、IAIスタジアム日本平で行われる。6月の県総体決勝と同カードとなった頂上決戦は、10年ぶりの優勝を狙う藤枝東と、県総体との2冠を目指す浜松開誠館が激突する。藤枝東MF南部陽哉（はるや、3年）と浜松開誠館DF水谷健斗（3年）は、中学時代のクラブチーム「ヴィアティン三重」でチームメートだった。良きライバルの戦友同士が、全国切符をかけたピッチでチームを勝利に導く活躍を誓った。【神谷亮磨】

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浜松開誠館の攻撃的サイドバックはチームのために走り続ける。水谷はここまでチーム最多の4得点。右サイドバックながら、積極的な攻撃参加が目立つ。磐田東との準決勝でも値千金の先制点をマーク。豊富な運動量を生かし、サイドを上下動している。県総体に続く今季2冠目と、3年ぶりの全国選手権出場をかけた次戦も自身の役目を全うする。水谷は「とにかく走って、戦う姿を体現したい」と力を込めた。

ピッチの上で私情は挟まない。藤枝東の南部とは高校入学後も頻繁に連絡を取り合ってきた。中学時代はダブルボランチの相方として共闘。「いいライバル関係だと思っている」と話す戦友の特徴は誰よりも理解している。「賢い選手だし、味方に合わせるのがうまい」。決勝では対戦相手の1人として迎え撃つつもりで、「次も僕が勝ちます」と返り討ちを誓った。

県総体で初優勝したことで追われる立場だが、リベンジの思いが強い。1年前の県選手権決勝では静岡学園に0－2で敗れた。当時から主力だった水谷は「試合の入りから静学に圧倒されて、開誠館のサッカーができずに負けた。決勝の借りを今年返したい」。昨年の悔しさを晴らすために1年間戦ってきた。

藤枝東はリベンジの思いでぶつかってくる。肉弾戦も覚悟の上で、「相手の気持ちを上回るような戦いをしたい。僕らの目標は国立で勝つことなので、決勝は通過点にしないといけない」と言い切った。主役の座は譲らない。

◆水谷健斗（みずたに・けんと）2007年（平19）8月22日、三重県生まれ。小1から長島中部SSS（三重）でサッカーを始め、中学時代はヴィアティン三重でプレー。173センチ、66キロ。血液型A。右利き。家族は母、祖父母。