【ラスベガス(米ネバダ州)12日(日本時間13日)=四竈衛】MLBのGM(ゼネラルマネジャー)会議は2日目を迎え、ポステ…
【ラスベガス(米ネバダ州)12日(日本時間13日)=四竈衛】MLBのGM(ゼネラルマネジャー)会議は2日目を迎え、ポスティングでの米移籍を目指す巨人岡本和真内野手(29)に対し、ヤンキースが本腰を入れて臨むことが確実となった。ブライアン・キャッシュマンGMが、日本市場への積極参戦を表明。岡本を最大のターゲットに折衝して行く方針を固めた。同じくポスティングでのメジャー挑戦を目指す西武今井達也投手(27)とともにも、19日(同20日)に正式手続きを行い、来年1月2日(同3日)までの45日間で交渉を進めることが明らかになった。
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過去数年間、日本人市場で結果を残せなかった名門ヤンキースが、今オフは本腰を入れて日本人選手の獲得に動くことが明らかになった。GM会議中、ズーム会見に応じたキャッシュマンGMは、明確な言葉で逆襲を宣言した。「これまで、我々はとてもアグレッシブに行ったが、少し足りなかった。選手たちがドジャースでプレーすることを選んだ。それが、明らかにその後の成功につながった」。
2年前の大谷翔平、山本由伸に続き、昨年は佐々木朗希獲得を逃し、その結果、3人を総取りしたドジャースが、今世紀初めてワールドシリーズを連覇。球界の「盟主」の肩書が、ド軍に奪われた感がある現状は否定のしようがない。同GMは「ドジャースに脱帽する。彼らは競争に勝った」と、潔く完敗を認めた一方で、巻き返しへの強い決意も口にした。「我々は、日本を含め、世界中のどこでも重要な選手には興味がある」。
その最大のターゲットが、岡本だった。三塁には昨季途中に獲得したマクマーンがいるとはいえ、打率2割1分4厘と低迷。外野手と並ぶ補強ポイントに挙げられる。ア・リーグ西地区の編成首脳は、同じ守備位置の岡本とヤクルト村上宗隆と比較した場合、ほとんどの球団が「岡本の方が守備は上」と分析。ヤ軍関係者によると、打撃面もパワーだけでなく、コンタクト率、空振り率、進塁打など状況打撃への評価が高く、ジャッジ、スタントンに続く強打の右打者として上位にリストアップした。
そんなヤ軍の思惑を裏付けるかのように、代理人のスコット・ボラス氏は、日米報道陣の前で岡本の特性を力説した。「多才。各球団が求める守備力もあるし、打者としてはパワーがある。バット操作がうまく、空振りも少ない。多くの才能があり、とても人気がある」。複数球団からの接触があったことを認め、12月8日からのウインターミーティング前後に各球団と直接交渉を行う見通しを明かした。
このほか、内野補強が急務のブルージェイズ、マリナーズ、レッドソックス、メッツなども本格的な調査を進めており、ヤ軍を軸としたせめぎ合いは交渉期限ぎりぎりまで続きそうだ。
◆岡本和真(おかもと・かずま)1996年(平8)6月30日生まれ、奈良県五條市出身。智弁学園で3年春夏に甲子園出場し、高校通算73本塁打。14年ドラフト1位で巨人入団。18年に巨人の89代4番を任され、同年に史上最年少の22歳で打率3割・30本塁打・100打点を達成。本塁打王3度、打点王2度。ベストナイン2度、ゴールデングラブ賞3度。23年WBC日本代表。今季推定年俸5億4000万円。186センチ、100キロ。右投げ右打ち。