「大相撲九州場所・4日目」(12日、福岡国際センター) 西十両9枚目の西ノ龍(25)=境川=が“三沢魂”で東白龍(29…
「大相撲九州場所・4日目」(12日、福岡国際センター)
西十両9枚目の西ノ龍(25)=境川=が“三沢魂”で東白龍(29)=玉ノ井=を押し出し、3勝目を挙げた。プロレス団体ノアを創設した故・三沢光晴さんに託された化粧まわしを、今場所から初使用。富士ケ根親方(60)=元小結大善=から譲り受け、少年時に三沢さんと親交があり、現在もノアファンである西ノ龍の励みになっている。幕内は全勝が横綱大の里、関脇安青錦、平幕藤ノ川の3人となった。
「NOAH」旧ロゴが映えるエメラルドグリーンの化粧まわし。大善が2001年に初使用した九州場所で、西ノ龍が復活させた。「昔からノアが好きだった。会場への車の中では(三沢さんの入場曲)『スパルタンX』を聴いている」。気合を入れる時は、01年ゼロワン旗揚げ戦のタッグマッチ(橋本真也&永田裕志-三沢&秋山準)の映像を見る筋金入りだ。
父で元幕内常の山の重和さんと富士ケ根親方は現役時代から仲が良く、自宅近くの大阪府立体育会館でノアの試合が行われた際、小学生の西ノ龍は三沢さんと対面。タイガーマスク時代の三沢さんから親交が続いた親方は「三沢さんが『この子が関取になったら化粧まわしを譲って』と話した。約束を守れて良かった」と喜んだ。
近大付中2年で埼玉栄中に転校し、初心者から強豪校で鍛えた変わり種。親方は「あの時は関取になると想像できなかった。三沢さんも喜ぶ」と語った。
取組では東白龍に低く当たり、右前みつを頼り一気に押し出した。3勝目に「落ち着いていた。前みつがかかったので走った」とうなずいた西ノ龍。十両2場所目で「まだこれから」と気を引き締めた。
◇西ノ龍龍太郎(にしのりゅう・りゅうたろう)本名・下村龍太郎。2000年8月20日、大阪市中央区出身。埼玉栄高を経て境川部屋に入門し、18年九州場所で初土俵。25年秋場所新十両。得意は突き押し。父・重和さんは元幕内常の山。181センチ、138キロ。ノアのプロレスラー、マサ北宮を応援する。