楽天辰己涼介外野手(28)が11日、今季取得した国内FA権の行使を表明した。楽天モバイルパークで行われた練習後に取材に応…
楽天辰己涼介外野手(28)が11日、今季取得した国内FA権の行使を表明した。楽天モバイルパークで行われた練習後に取材に応じ「総合的に判断して」と、この日の朝、申請書類を提出したことを明かした。年俸は非公表だが、獲得には人的補償や金銭が伴うBランクとみられる。13日から交渉解禁。オファーがあった各球団と交渉する方針だという。
申請期限まで悩み抜いた末に辰己が決断した。18年ドラフト1位で立命大から入団。21年から4年連続でゴールデングラブ賞を受賞し、球界を代表する守備の名手としてスター選手の仲間入りを果たした。昨季は自身初の打撃タイトルとなる最多安打も獲得。昨年11月のプレミア12では侍ジャパンに初選出された。今季は2年ぶりの2軍落ちを経験も、1年目から中心選手として活躍。チームで欠かせない存在だった辰己が他球団への移籍を模索する。
当初、今オフはポスティングシステムによるメジャー挑戦を目指していた。球団から容認されなかったが、米マネジメント会社の代理人らと契約するなど準備を進めてきた。それでも、海外FA権を持たないため、今回は国内移籍前提の権利行使となる。「そこ(メジャー挑戦)を諦めたとかではなく、まずは権利を行使してというところ。野球をうまくなりたい、必要としてくれるチームがあるかどうかとか。楽天も含めてですけど、FAを行使した上で考えたい」と話した。
7年プレーした楽天への恩義もある。「外れ(1位)でもあるんですけど、競合して石井さん(GM)に(当たりくじを)引いてもらってから7年、最短でFAを取得できたことを誇りに思いますし、関わってくださった皆さんのおかげでもある。すごく充実した7年間でした」。感謝を胸に前に進む。【山田愛斗】
◆国内FAだけでは海外行けず 野球協約のフリーエージェント規約の第6条では「海外FA資格を取得していない選手がFA権を行使した場合、NPB以外の国内外のいかなる球団とも契約を締結することはできない」としている。また、第13条では「獲得球団は、同選手が国内FAの権利を行使しなかったとしたら海外FA資格を取得したであろう時点までは、日米間選手契約に関する協定の中で規定されるポスティングの手続きを採らない」とあり、辰己の場合は海外FA取得の見込みが27年。もし今オフにFAで他球団に移籍しても、来年はポスティングでの移籍ができないことになる。