スペイン・サッカー連盟は11日、バルセロナのFWラミン・ヤマル(18)がスペイン代表から離脱したと発表した。同国マルカ紙…
スペイン・サッカー連盟は11日、バルセロナのFWラミン・ヤマル(18)がスペイン代表から離脱したと発表した。同国マルカ紙は「全面戦争」と見出しを付けて「スペイン連盟がバルセロナに激怒」と伝えている。
スペイン代表のデラフエンテ監督は、国際Aマッチ期間の15日にジョージア、続いて18日にトルコと対戦するワールドカップ(W杯)北中米大会欧州予選の2試合に向けた招集メンバーを7日に発表。9月以降、慢性的に恥骨の問題を抱えているヤマルを招集していた。
しかし連盟は4日後、ヤマルに関するバルセロナの対応を強く非難。次の通り公式声明を発表した。
「スペイン・サッカー連盟の医療部門は、代表チームの公式合宿初日の11月10日(月)午後1時47分に、ラミン・ヤマル選手が同日午前中に恥骨の不快感を治療するため、高周波の低侵襲治療(手術・検査などに伴う痛みや発熱、出血などを最小限に抑える治療法)を受けたことを知り、驚きと不快感を表します」
「この処置は、代表チームの医療スタッフに事前連絡なく実施され、その詳細を10日午後10時40分に届いた医療報告書で初めて知りました。そこには7~10日間の安静を勧める医師の指示が記載されています」
「この状況を受け、選手の健康、安全、そして幸福を最優先に考慮した結果、スペイン・サッカー連盟は同選手を今回の招集メンバーから外す決定を下しました。我々は順調に回復すると確信しており、早期の完全回復を願っています」
この件を、マルカは「全面戦争」「バルセロナに激怒」「ヤマルが受けた治療の隠蔽(いんぺい)は理解不能」など、両者の間に大きな問題があることを強調した。
特にスペイン連盟は、ヤマルに7~10日間の安静が必要であったにもかかわらず、バルセロナの連絡が遅いなど、一連の対応に憤りを感じているとのことだ。
連盟とバルセロナは9月の代表戦以降、恥骨に問題を抱えているヤマルの措置を巡って軋轢(あつれき)が生まれている。
フリック監督が起用法を巡り、デラフエンテ監督を批判したこともあった。その流れから10月の代表戦では、招集メンバー発表直前に痛みが再発したとして、ヤマルのメンバー入りが見送られていた。(高橋智行通信員)