<大相撲九州場所>◇3日目◇11日◇福岡国際センター二子山親方(48=元大関雅山)が、休場した弟子を思い、30年ぶりとな…

<大相撲九州場所>◇3日目◇11日◇福岡国際センター

二子山親方(48=元大関雅山)が、休場した弟子を思い、30年ぶりとなる決意の丸刈りをしたことを明かした。前日10日の2日目、東十両3枚目の三田(23=二子山)が、輝との取組で右膝を大けが。この日、日本相撲協会に「右膝前十字靱帯(じんたい)損傷。約3カ月の休業を要する」との診断書を提出し、休場した。今場所は再出場せず、今後は手術も視野に入れている。それを受けて二子山親方が3日目打ち出し後の11日夜、福岡市内の理容店で高校3年時以来となる、丸刈りをしたことを明かした。

二子山親方は「本当に落ち込んでいる三田を見て、このままでは引退も考えてしまうのではないかと思って。言葉ではなく、行動で三田を元気づけたい、一緒に戦っているところを示したいと思って丸刈りにしました」と、言葉に力を込めて話した。丸刈りにするのは高校3年だった95年以来。「どうしてもインターハイで勝ちたくて丸刈りにした高校3年の時以来、30年ぶりです。現役時代に頭からいっていたので、傷があって、ずっと髪を短くすることはなかったのですが、これも勲章と思っています。恥ずかしいとか、そんな思いはありません。そんなことよりも、三田の苦しみが少しでも和らぐならと思い、夜でもやっているお店を知り合いに教えてもらって、今、やってきました」と、午後9時過ぎに明らかにした。

三田は昨年9月の秋場所で、幕下最下位格付け出しで初土俵を踏んだ。先場所までの7場所全てで勝ち越し、順調に番付を上げてきた。部屋在籍期間こそ短いが、二子山親方は幼少期から知っているだけに、本人のショックの大きさも痛いほど理解している。不戦敗となった3日目で3連敗となり、来場所は幕下転落の可能性が出てきた。「もう1度、はい上がってほしい」という大けがを負った弟子を思う“親心”が、決意の丸刈りという思い切った行動となった。