<練習試合:中日-阪神>◇11日◇高知市春野阪神藤川球児監督(45)が右のリリーフ候補たちの成長ににっこりだ。高知・安芸…

<練習試合:中日-阪神>◇11日◇高知市春野

阪神藤川球児監督(45)が右のリリーフ候補たちの成長ににっこりだ。高知・安芸で秋季キャンプ中の阪神は11日、日本シリーズ後初の対外試合となった練習試合の中日戦(春野)を開催。2年目の椎葉剛投手(23)ら若虎8投手が9回無四球無失点好投を披露し、0-0ドローを演出した。来季のテーマは「右のブルペン陣強化」。ブルペンで自ら指導に乗り出しての成果発揮に手応え十分だ。

藤川監督は阪神ベンチに入らず、バックネット裏の一室から試合を観戦した。秋季キャンプで8年ぶりの練習試合となった中日戦は9回0-0ドロー。「16日、延長10回からスタートします(笑い)」。若虎8投手が会心の無失点リレー。中でも右のリリーフ候補となる5投手の無四球快投に笑顔があふれた。

6回を任された2年目右腕の椎葉は先頭の浜、尾田の左打者を連続空振り三振。尾田はカウント2-2から高めの143キロ直球で空を切らせた。「椎葉の左打者に対するアウトハイとかは、踏み込みが強くいけてるんで。球がちょっと、ふっと吹くような(吹き上がる)球になってましたから」。火の玉ストレートを武器にした指揮官が、新火の玉男の登場に目を細めた。

椎葉には昨秋の監督就任直後の秋季キャンプでも、自ら身ぶり手ぶりで指導した。だが今季はプロ初登板こそ果たしたが3試合止まり。ただ最速159キロを誇る素材は目を見張るものがあり、2軍では42試合登板で防御率2・20と安定。この秋季キャンプでも直接指導を施し、時間をかけての開花予報は大きな吉報だ。

1年目コンビも好投した。3回に登板した木下里都投手(24)は自己最速に1キロと迫る156キロを投げ込み、1安打無失点。最速161キロ右腕の工藤泰成投手(23)も石川昂にヒットは許したが後続を併殺に取るなど無失点でまとめた。

2年目の石黒佑弥投手(24)は石井、村松、辻本らの1軍戦力相手に2回を無安打3三振0封。同じ2年目の津田淳哉投手(24)は最速151キロで押し、石川昂、福永を内野ゴロに仕留め、1回を3人で抑えた。 藤川監督は終始ご機嫌だった。「ルーキーの子たちは1年目の秋だな、という感じがする。そういう意味で石黒とか津田とかは2、3年下積みをしてきている部分があるから、いいものが出だしていますよね」。

就任1年目、9月7日に史上最速でリーグ優勝を果たした。だが日本シリーズではソフトバンクに力負け。直後のオーナー報告では、来季の課題に「右の速球派リリーフ投手たちの台頭」を掲げた。そしてキャンプで自ら指導に乗り出した候補生たちも存分に成果を発揮。実りの中日戦となった。【伊東大介】

▽阪神安藤投手チーフコーチ(8投手で9回無失点リレー)「いいものを見られた投手もいたし、楽しみな投手が多いなと思います」

▽阪神前川(2回の第1打席で右前打、6回の第3打席は痛烈な左飛)「3打席目もとらえた当たりだったので、そういったところは明日からの練習にもつながる。今やっていることを実戦でやって、差されずに前で打てたのはひとつ収穫」