「昭和の怪物」の異名を持ち、巨人のエースとして活躍した江川卓氏が11日、自身のYouTubeチャンネル「江川卓のたかさ…
「昭和の怪物」の異名を持ち、巨人のエースとして活躍した江川卓氏が11日、自身のYouTubeチャンネル「江川卓のたかされ」を更新。ドジャースをワールドシリーズ連覇に導いた山本由伸投手の投球について分析した。
ワールドシリーズ第7戦で山本が連投で九回1死一、二塁のピンチから登板。先頭のカークにフォーシームが抜けて死球を与え、満塁としてしまったが「普通のピッチャーは抜けたら調整できないんですよ」と江川氏。「それでも押さえ込んで抜けないようにしていた。これはピッチャーからしたらすごい能力なんですよ。普通は抜けたら戻せない。それを押さえるだけの力がまだ肩に残っていた」と分析する。
山本はバックの好守にも助けられ、1死満塁のピンチを鮮やかに切り抜けた。そして延長十回、十一回も続投してスコアボードにゼロを刻み胴上げ投手に輝いた。「最後のスプリットも抜けて浮いていればセンター前になって同点になっていた。若干落ちたことでゴロになってね」と江川氏。その要因として「肩の余力が残っていた」と評論する。
「これは想像かもしれないけれど」と断った上で「高校生の時に連投、連投で酷使されていないから。というところに僕はさかのぼる。まだ肩の余力がある。強さが残っているなという感じ。ちょっと特殊かもしれないけど」と語った。江川氏の時代は高校野球でも大学野球でも連投が当たり前だった時代。“肩は消耗品”という言葉があるように、江川氏ならではの指摘だ。
一方で山本がやり投げなど、他の投手がやらないような独自のトレーニングで現在の姿へ成長してきたことも要因にあげられる。江川氏は「これ不思議なんですけど、『明日もあるかも』と思って寝るのと、『明日はない』と言われて寝るのでは全然違う。気を緩ませると、すごく張るんですよ」と経験談を明かし、山本が「ベンチの中ですごくシャドーピッチングや壁当てをやってたでしょ。すごく張ってたと思うんですよ」というところまで目を向けていた。
動画では他にも大谷翔平投手の二刀流の凄さや、佐々木朗希投手についても言及していた。