<大相撲九州場所>◇3日目◇11日◇福岡国際センター新関脇安青錦(21=安治川)が、傷だらけになりながら、幕内では初のな…
<大相撲九州場所>◇3日目◇11日◇福岡国際センター
新関脇安青錦(21=安治川)が、傷だらけになりながら、幕内では初のなる無傷の3連勝を飾った。東前頭筆頭の伯桜鵬に立ち合いで左差しを許すと、ズルズルと後退。土俵際まで寄られたが“最初で最後”になるかもしれない、逆転の首投げで勝ちを拾った。際どい勝負で物言いがついたが、行司軍配通りに勝ち名乗りを受けた。
取組後は「相撲としては負けていた。最後に体が動いてくれて、勝ってよかった」と、胸をなで下ろした。物言いがついて土俵下で待つ間は「どっちか分からなかった。感覚的には取り直しかなと思っていた」と、勝ちを確信していたわけではなかった。それでも勝って、2日目の時点で幕内では初体験だった初日からの連勝を「3」に伸ばした。
首投げで着地した際に左上腕を土俵に打ちつけ、大きな傷ができた。稽古でついた傷も数知れないが「またカッコ良くなった」と言って笑った。これまでも、顔に大きな傷をつくった際に「カッコ良くなった」と語っていたが、薄氷ながら白星をつかんだことで、冗談めかして大きな白星をかみしめていた。
この日の首投げは、大相撲に入る前のレスリングでは繰り出したことはあったが、初土俵後は初。ただ、特にこの日は後退しながら苦し紛れの投げとなり、ケガにつながる取り口だっただけに「(首投げは)あまり出したくない技。しっかりと前に出る自分の相撲を取り切りたい。(大相撲ではこの日の)1回しか出していないけど、できれば最後にしたい」と、首投げの封印を心に誓っている様子だった。ただ、あまりに鮮やかな逆転の投げで、繰り出す際の心境を問われ「イチ、ニー、サンで投げてます」と、独特のリズム感を伴って、心の中で唱えていることを、こっそりと明かしていた。