「大相撲九州場所・2日目」(10日、福岡国際センター) 横綱豊昇龍は小結隆の勝を押し出し、連敗を回避した。優勝決定戦で…
「大相撲九州場所・2日目」(10日、福岡国際センター)
横綱豊昇龍は小結隆の勝を押し出し、連敗を回避した。優勝決定戦で昇進後初賜杯を逃した先場所後、多くの励みを得て迎えた今場所。巻き返しを狙う。横綱大の里は伯桜鵬を寄り倒し連勝。大関琴桜は霧島に寄り切られ初黒星。大関昇進の足固めを狙う関脇安青錦は若元春を寄り倒し2連勝とした。
連敗は許されない。厳しい表情で仕切った豊昇龍が初星を挙げた。頭から当たり、左おっつけで隆の勝の体を起こし、右のど輪の形で一気に押し出した。支度部屋では「集中してやりました」と表情を緩めず話した。
初日は伯桜鵬への張り差しが失敗し内に入られ、上手投げ不発で寄り倒された。通算9個目の金星を許した直後は取材に応じなかったが、この日の取組後に「立ち合いが悪かった。でも終わったことはもう何もできない」と振り返った。
八角理事長(元横綱北勝海)は最近の豊昇龍の稽古の映像を見たといい、その印象を「投げてばかり。稽古の考え方から直していかないといけない」と苦言を呈していた。取組後は「こういう相撲を取れるんだから」と評価。悪癖を出さないことが、今後のカギとなりそうだ。
先場所は優勝決定戦で大の里に敗れ、昇進後初賜杯を逃した。場所後は故郷モンゴルで横綱昇進祝いに参加。元横綱日馬富士のビャンバドルジ氏ら450人が出席した。日本力士選士権とロンドン公演はともに大の里を下して優勝。「この勢いをつなげたい」と誓っていた。
九州場所は2017年に新弟子検査を受けた思い出の場所。昨年は千秋楽で琴桜に敗れ優勝を逃すも、翌場所の優勝と横綱昇進につなげた。豊昇龍は状態について「悪くはない。明日も集中して頑張る。以上」と取材を打ち切り、視線を前に向けた。