◇日米女子ツアー◇TOTOジャパンクラシック 最終日(9日)◇瀬田GC 北コース (滋賀)◇6616yd(パー72)◇…

復活優勝を遂げた畑岡奈紗を支えたのは…

◇日米女子ツアー◇TOTOジャパンクラシック 最終日(9日)◇瀬田GC 北コース (滋賀)◇6616yd(パー72)◇雨(2696人)

畑岡奈紗が3年半ぶりのタイトルを母国でつかんだ。最終日は雨によるコースコンディション不良で競技が中止となり、前日までに首位に並んでいた荒木優奈とのプレーオフで決着をつけた。パー5の18番をパー3に設定する変則的な状況で勝ち切った。

優勝から遠ざかった近年は、体調面でも精神面でも悩んだ。米国転戦を支える母の博美さんは「楽しそうにやっていないと感じていた。このままゴルフを続けていけるのかなって思った」と振り返る。しかし、表情には出ても決して弱音は吐かなかった。

フィジカルセラピストとして体のケアを担う高田洋平氏は、「去年はもう満身創痍。体で痛いところはいっぱいあった。スイングもちょっとチグハグで、1mのパットが入らないというのもあって。ゴルフがよく分からない状態だった」と話す。

今年からぎじゅ的なサポートもする高田洋平氏(カート後部)

その高田氏が、なんと今年から技術的なサポートもするようになった。コーチ業はアマチュア相手にすらしたことがなかったが、「体の特性を見て、どういうスイングをしたいのか」という視点から畑岡に助言している。

パッティングの悩みが解消して以降は、優勝への最後のピースとして、右腕のグリップの握り方に課題があった。高田氏は畑岡の高校時代のスイング動画を見て、気づいたことがあったという。「4、5年先を見据えてのスイングと考えたときに、ちょっとミスマッチな体の使い方をしていた。高校生のころの動きが、自然に使ってきた体の動かし方なんじゃないかな、全然違うな、と」とアドバイス。体に合った使い方に戻し、最高の結果を引き寄せた。

「コーチでもなんでもないような人が“コーチ”で。不安もあったと思うけど、ついてきてくれてよかった」と喜んだ。

そもそも高田氏とは、2年前のシーズン最終戦「CMEグループ ツアー選手権」を終えて帰国する際、経由したダラスで出会った。予定していた日本行きの便が飛ばなくなり、一日延泊する羽目になり、関係者の伝手でダラス、ニューヨーク、東京に拠点を持つ高田氏とつながった。当時は専属トレーナーがおらず、体調面で悩んでいた。飛行機が飛んでいれば出会わなかったかも…しれない。(滋賀県大津市/石井操)