西武は10日、メジャーリーグへの挑戦を希望している今井達也投手(27)について、今オフのポスティングシステムを使っての移…
西武は10日、メジャーリーグへの挑戦を希望している今井達也投手(27)について、今オフのポスティングシステムを使っての移籍を容認すると発表した。
今井は海外FA(フリーエージェント)権を保有しておらず、メジャー移籍の場合は所属球団が決定権を持つポスティングシステムでの移籍に限られていた。
作新学院(栃木)時代に甲子園優勝投手となった今井は、16年ドラフト1位で西武に入団。入団からしばらくは制球やフォームが落ち着かずに負けが増えがちだったものの、23年からは3年連続10勝を挙げ、いずれも貯金を稼ぐなど安定感を増してきた。
1試合での球数こそ多いものの、最速160キロの直球と独特なスライダーを武器に、イニング数を上回る奪三振を誇る。先発投手としての高い能力に早くからメジャー関係者たちが注目しており、今季も今井の登板日には各球団の幹部クラス含むメジャー関係者たちがこぞって視察に訪れた。
今井自身もメジャー移籍を最優先で希望しており、今後、ポスティングシステムの申請手続きに移行することになる。米国では早くもFA市場の注目選手に挙げられている。米スポーツ専門局ESPNによる「今オフのFA注目選手ランキング」では日本人最上位となる全体5位に入った。
広池浩司球団本部長は「今がそのときだと判断して、MLB挑戦を認めることにしました。本人の『アメリカで野球をしたい』という一貫した強い意志を受け止め、球団としてその思いを尊重する形を取りました。挑戦するからには、アメリカで元気に活躍する姿を見せて欲しいです。近年チームに大きな貢献をしてくれた選手ですので、今井が抜ける影響はありますが、若手の成長や編成面で戦力を整えて戦っていきます」とコメント。
今井は球団を通じ「自分の要望を受け入れていただいたことに感謝しています。話し合いを重ねるなかで、さまざまなことを考慮し、また長い時間をかけて判断してくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。これまで毎年、リーグ優勝や日本一を目指してプレーしてきましたが、その思いはチームが変わっても同じです。勝利にこだわり、チームの力になれるよう全力で投げていきます」とコメントした。
西武はすでに高橋光成投手(28)へのポスティングシステム容認も公表済み。今季は2人で合計18勝、311回2/3をたたき出す中心戦力ながら、球団はともにメジャー挑戦を後押しするという決断をした。
◆今井達也(いまい・たつや)1998年(平10)5月9日、栃木・鹿沼市生まれ。作新学院3年夏の甲子園では最速152キロをマークし、54年ぶり2度目の全国制覇に貢献。16年ドラフト1位で西武入団。24、25年に開幕投手。24年最多奪三振。23年アジアチャンピオンシップ、25年強化試合(対オランダ)で日本代表。180センチ、80キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億8000万円。