広島・矢野雅哉内野手(26)が9日、今キャンプ初の対外試合で打力良化の兆しを示すと意気込んだ。10日の練習試合・侍ジャ…

 広島・矢野雅哉内野手(26)が9日、今キャンプ初の対外試合で打力良化の兆しを示すと意気込んだ。10日の練習試合・侍ジャパン戦(サンマリンスタジアム宮崎)に「2番・遊撃」で先発出場の予定。今秋から注力してきた打撃改良の成果を披露する。この日は日南市内の宿舎で来季の契約更改交渉に臨み、500万減の年俸4800万円でサイン。来季の巻き返しを誓った。(金額は推定)

 積み上げてきた努力の成果を見せる時が来た。一流相手の貴重な舞台は打撃面の“現在地”を推し量る意味でも、有意義な時間になる。矢野は侍ジャパンとの練習試合に向け、「シーズンが終わってから取り組んできたことを試せる。すごくいい機会」と存在感の発揮に意欲を見せた。

 今キャンプ初の対外試合には「2番・遊撃」でスタメン出場の予定。侍ジャパンは先発の西武・平良をはじめ巨人・大勢や中日・松山ら球界を代表するクローザーの登板が見込まれる。「自分が思っているスイングができたらいい。凡打の内容とかも自分自身で見られれば」と一線級投手との対決を見据えた。

 今秋は大半の時間を宮崎での鍛錬に費やしてきた。10月初旬にみやざきフェニックス・リーグに参加し、今月1日からは秋季キャンプに帯同。福地1軍打撃チーフコーチ、新井1軍打撃コーチと言葉を交わし、打率・250を最低ノルマにできる打撃の土台作りに励んできた。

 具体的には「前の壁がめくれてしまうと、フライになりやすい」と体が開く癖の修正に注力。「そこをずっと福地さん、(新井)良太さんとテーマにしてやってきた。変えずにやりたい」と練習通りのスタンスを貫いて快音を響かせていく。

 昨季は137試合に出場してゴールデングラブ賞を獲得するなどブレーク。今年3月には、オランダとの強化試合に臨む日本代表メンバーに初選出された。だが今季は112試合で打率・208、1本塁打で19打点。三塁・佐々木、遊撃・小園の布陣が固定されて以降は出番が減った。

 この日の契約更改交渉では500万減の年俸4800万円でサイン。「(状態が)悪い時にどうすればいいか、なかなか見つけられなかったし、何とか結果を残さないといけないという思いになり過ぎた」と今季を振り返った。圧倒的な守備力は折り紙付き。打力が伴えばレギュラー争いに食い込める自信がある。「何とか来年、取り戻せるように競争に勝つしかない」と闘志を燃やした。

 10日は同期入団の森浦と対戦する可能性もあり「何が何でも打ちたい。一緒に(広島に)入ってきて、ずっといいモノを見せてくれているので。それに負けないように」と矢野。侍戦士たちに負けず劣らずの活躍で、逆襲への一歩を踏み出す。