1日に現役引退が発表された大相撲の元小結遠藤の北陣親方(35)=本名遠藤聖大=が9日、福岡市内のホテルで記者会見した。…

 1日に現役引退が発表された大相撲の元小結遠藤の北陣親方(35)=本名遠藤聖大=が9日、福岡市内のホテルで記者会見した。度重なるケガに苦しみながら真っ向勝負を貫き、晴れやかな表情で「本当に幸せな相撲人生」「悔いは一切ない」と、約12年半の現役生活を振り返り、感謝を口にした。低迷する大相撲人気回復に貢献。今後は追手風部屋の部屋付き親方として後進の指導にあたる。

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 北陣親方の祖父、遠藤勇さんは石川県穴水町でカキの養殖を営んでいた。今年4月に「カキが好きでした。小学生くらいの時、その場で海水でジャブジャブ洗って、生のまま食べていましたよ」と、思い出を聞く機会があった。

 ただ、その時に「これは今だから話せることです。祖父はもう養殖の仕事をしていないので」と加えたのが引っかかった。問題が生じるような内容ではないと思ったからだ。その疑問を「今も祖父が養殖を続けていたら、記事になった時に『宣伝している』と、思われるかもしれないでしょう」と説明された。

 入門直後から一挙手一投足が注目を集め、人気低迷に苦しむ大相撲を救うスターになった。その中で、不本意な伝わり方も多かったのだろう。そんな苦労の一端を感じた瞬間だった。(デイリースポーツ・山本鋼平)