<全国高校サッカー選手権神奈川県予選決勝:日大藤沢1-0桐光学園>◇9日◇ニッパツ三ツ沢日大藤沢が桐光学園を1-0で下し…
<全国高校サッカー選手権神奈川県予選決勝:日大藤沢1-0桐光学園>◇9日◇ニッパツ三ツ沢
日大藤沢が桐光学園を1-0で下し、2年ぶり8度目の全国大会出場を決めた。決勝点を決めたのは、右膝の重傷から戦列復帰したばかりのエースFW有川啓介(3年)だった。
0-0で迎えた後半38分、負傷から復帰したFW有川がクロスボールを相手GKと競り合った。こぼれ球となったところを拾ると、時計回りにターンしながら左足で豪快に蹴り込んだ。歓喜を爆発させ、応援席に向かってダッシュした。この終盤の1点を守り切り、全国切符を手にした。
有川は10月12日の2回戦・秦野戦(8-0)で右膝の内側靱帯(じんたい)を痛める重傷。全治2カ月とも言われた中で奇跡的な復活を果たし、最後の決勝戦のピッチで勝負を決めた。
「選手権に懸けてきた思いは人一倍強かった。テープをグルグル巻きにして、直前に練習に復帰しました。こうして自分が結果を出してチームを勝たせることができたのはうれしいです」と喜びをかみしめるように話した。
試合3日前の練習に復帰した。サッカー人生はまだこれから先がある。無理はさせられないという思いがスタッフにはあったが、トレーナーの付きっきりの尽力があり、プレーできる状態にまで回復していた。佐藤輝勝監督は「神様はいるんだと思った。3日前にピッチに立っている姿を見て、もう涙が出てきた。それでいて試合でゴールまで決めてしまうなんて、本当にすごい男です」と目を潤ませながら話した。
生粋のストライカー。チーム内では「怪物」とまで言われる。この日も得点を取るまでは思うようなプレーはできなかったが、一瞬のチャンスを逃さなかった。「自分は得点力が強み。絶対に負けないという思いで取り組んできました。点を取ることが仕事であり、チームを勝たせることが役目」と言う。
インターハイ予選では桐光学園に敗れていただけに、雪辱を果たした。「夏に負けてから、次は絶対に勝つという思いで夏場の練習に励んできた。リベンジを果たせたのはチームとしても大きい」。そして全国大会に向けては「チームを勝たせることが、指導者だったり、親への感謝を伝えるものになると思います」。目標とする日本一に向けても、大黒柱の復帰は追い風となった。