<全国高校サッカー選手権神奈川県予選決勝:日大藤沢1-0桐光学園>◇9日◇ニッパツ三ツ沢元日本代表で川崎F一筋のレジェン…
<全国高校サッカー選手権神奈川県予選決勝:日大藤沢1-0桐光学園>◇9日◇ニッパツ三ツ沢
元日本代表で川崎F一筋のレジェンド中村憲剛氏の長男、MF中村龍剛(2年)の所属する日大藤沢が桐光学園を1-0で下した。2年ぶり8度目の全国大会出場を決めた。
中村はボランチでフル出場。ビルドアップからサイド、前線へのつなぎ役に徹し、相手のカウンターには果敢にスライディングタックルでカットするなど、攻守に存在感を見せた。優勝の瞬間、ピッチに倒れ込んで喜んだ。
「決勝の舞台になると緊張して縦に速いサッカーになっちゃうんですけど、自分がしっかり落ち着かせて自分たちの流れに持って行くよう意識しました」
その言葉通り父の姿が重なるようなプレーぶりだった。「よく言われます」と笑った。
父譲りの明るいキャラクターで熱いハートを周囲に伝播できるのも魅力だ。佐藤監督からは「今日は黒子に徹してくれた。1試合ずつ成長してくれている。ゲームの流れを読んでプレーしてくれている。中村がいるのは大きい」とまで賛辞を送られた。
表彰式ではスタンドに父の姿を見つけるとガッツポーズ。朝出かける際に言葉を交わしていた。「おまえが試合を決めろと言われていました。勝てたので良かったです」。父はどういう存在かと問われると「ひと言で言うと、憧れです」。父は東京・久留米高(現東久留米総合高)時代に全国大会には出場できなかっただけに「現時点で高校時代のお父さんは超えました。選手権に出るのが一つの夢でした」と話した。
全国大会出場という夢を一つ叶え、次の夢は何かと問うと即座に「日本一です」。そして「もっともっと自分がゲームを支配できるようにやっていきたい」と言って、大きな目を輝かせた。