日米通算4367安打のイチロー氏(52=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が8日から2日間、新潟・長岡市内を訪…
日米通算4367安打のイチロー氏(52=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が8日から2日間、新潟・長岡市内を訪れた。高校野球の指導は20年から6年連続で、今回は初めて中越(新潟)へ。通算では12校目となった。甲子園出場は夏12度の出場を誇るが、94年の白星から6戦連続初戦敗退。今秋の北信越大会8強で敗れセンバツは絶望となった。中越のほか、糸魚川白嶺、高田商、新井、柏崎常盤、柏崎総合5校18人の連合チームも参加した。
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イチロー氏はオリックス時代に野茂英雄(近鉄)から一発を放った長岡市悠久山球場で、高校生たちを指導した。球場正面に飾られている写真を懐かしそうに見つめた。野球観を変えたという一打席で、初球の直球をとらえた。「野茂さんからは絶対に打てない。真っすぐを待ち、変化球の対応は駄目だと…。そこから考えを変えた」。
開口一番、中越ナインに逆質問。「全国制覇を目指したこの世代、どうだった? ベスト8との差はどうだった?」。今夏7年ぶりに夏の甲子園に出場したが、6戦連続で初戦敗退。「強豪校はゲームの持っていき方を知っている。あっという間に(試合が)終わってしまう。僕もそうだった」と回想。新潟の5校連合には、「モチベーションをどこに持っていくか分からないけど、挑んでいく気持ちは大事にして」と声をかけた。
イチロー氏はキャッチボールやランニング、打撃を実演。「どの動きでも、しんどくなった時がポイント」と指摘。「常にいい状態でいるわけではない。しんどいところを越えていくようにしないと。頑張れるところより一歩、前にいけるか。それをテーマにして」とアドバイスした。
イチロー氏は5校連合に向け「とにかく基本を」と呼びかけ、「キャッチボール、走る、立っている姿勢から野球にしてほしい。週末しか(練習を)できない。難しいけれど、社会に出ても役に立つので、チームとして頑張って。焦らず形をつくることが大事」とエールを送った。
◆イチロー氏の高校野球部指導 20年2月に学生野球資格回復制度の認定を受け、学生への指導が可能になった。学生野球の指導にはプロ球団退団が条件になるが、引退後もマリナーズに在籍しながら、球団の活動がないオフシーズンに限り特例で指導が認められている。高校球児の指導は20年の智弁和歌山から始まり、今年の中越(新潟)まで6年連続12校を数える。