<全国高校サッカー選手権静岡県大会:藤枝東1(5PK3)1静岡学園>◇8日◇準決勝◇静岡・草薙陸上競技場藤枝東はPK戦の…
<全国高校サッカー選手権静岡県大会:藤枝東1(5PK3)1静岡学園>◇8日◇準決勝◇静岡・草薙陸上競技場
藤枝東はPK戦の末、5-3で3連覇を狙った静岡学園を破り、10年ぶりの優勝に王手をかけた。前半にMF望月瑠斗(2年)がCKを直接決めて先制点。終始劣勢の展開を最少失点でしのぎ、粘り勝ちした。県総体覇者の浜松開誠館は2-0で磐田東との「西部勢対決」を制し、3年ぶりの全国出場まであと1勝とした。6月の県総体と同カードとなった決勝は15日、IAIスタジアム日本平で行われる。
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耐えて、勝負に撤した。藤枝東はPK戦でキッカー5人全員が決め、静岡学園の3連覇を阻止。決勝進出が決まると、ベンチメンバーもピッチになだれ込み、歓喜の輪を作った。4月から指揮を執る同校OBの植松弘樹監督は「気持ちを切らさずに我慢してくれた」。試合後は劣勢の中で戦い抜いた選手たちを手放しでたたえた。
先手を取れたのが大きかった。前半39分、左CKのチャンスで望月が意表を突いた。「GKのポジションが悪いと思ったので狙った」。右足で直接ネットを揺らし、今大会初ゴールで先制した。その後の押し込まれる展開は想定内。万全の「静学対策」が実を結んだ。
準々決勝後には選手でミーティングを実施し、守備戦術を共有した。主将のDF井上凱晴(3年)は「前からボールを奪いにいくことを徹底した」。FWのハイプレスでパスコースを限定し、両サイドハーフはマンツーマンで対応。中央を固め、危険なエリアへの進入を許さなかった。ゴール前では体を投げ出した。相手に何度も揺さぶられ、体力が消耗した後半は複数人が足をつるアクシデントもあった。それでも耐え、セットプレーからの1失点だけでPK戦に持ち込んだ。
泥くさく戦い、10年ぶりの全国出場へ王手をかけた。県選手権では21年から3年連続で準優勝。県総体決勝も直近は2年連続で敗れている。望月は言った。「ここ数年はいつも決勝で負けて全国に行けていない。次は絶対勝ちたい」。名門復活へ、今年こそは主役になる。【神谷亮磨】