阪神前川右京外野手(22)が原点回帰の打撃フォームでレギュラー奪回を狙う。この日から高知・安芸キャンプに合流。フリー打撃…
阪神前川右京外野手(22)が原点回帰の打撃フォームでレギュラー奪回を狙う。この日から高知・安芸キャンプに合流。フリー打撃ではバックスクリーン越えの場外弾を2発連続で放つなど快音を響かせた。今季は2年連続の開幕スタメンを勝ち取るも、レギュラー定着とはならなかった。打撃面の反省点を洗い出し、今秋キャンプでの課題も明確だ。悔しさを胸に汗を流し、来季は雪辱を果たす。
◇ ◇ ◇
晴れ渡った安芸の空に、前川が放物線をかけた。中堅右に伸び、バックスクリーンを越える場外弾2連発。まるで土佐湾まで届きそうな打球に週末で訪れた多くの観客から拍手が起きた。
「1年間辛抱しながら使ってもらったりしながら、結果を全く出せなかった。来年のためにもうスタートしているので。必死に頑張りたいなと思います」
今季は6番左翼で開幕スタメンを勝ち取りながら、3度の2軍降格を経験。レギュラー定着とはならなかった。悔しさを胸にこの日から合流した高知・安芸キャンプ。1年間の反省としてテーマに掲げるのが、スイング軌道の修正だ。
「スイングの軌道を去年みたいに戻して。インコースを全く打てなかったので(体の)内からバットを出して打つというのをテーマにしています」
今季はアッパースイング気味になっていたと分析。現在は右足の踏み込み方を少し開き気味にするなど試行錯誤し、課題解消を目指している。「今まで野球人生でやってきた自分のスイングに戻しつつ、こっち(内角球)の対応がテーマです」と明かした。
藤川監督ももがく22歳をそっと見守っている。今年10月頃、同じ左打者のOBで元監督の金本知憲氏(57)に連絡。前川の打撃について相談したという。「『前川は元々持っている特徴がある選手だから指導が難しい選手だ』と。ポンと言って教えていいタイプの選手じゃないと、電話1本でおっしゃっていました。やり直しでしょう。(前川)本人がやり直しと言っていますから」。再出発に期待を込めた。
今秋のドラフト会議では同学年の1位立石ら上位3選手が野手だった。当然、前川自身も期するものがある。「毎年新しい選手が絶対に入ってくるので、負けないように。でも自分のやるべきことをちゃんとやらないと勝負も始まらない。まずは自分のことを必死に、丁寧にやりたい」。原点回帰で自分と向き合い、定位置を奪回する。【波部俊之介】