＜フィギュアスケート：グランプリ（GP）シリーズ第4戦NHK杯＞◇第2日◇8日◇大阪・東和薬品RACTABドーム◇男子フ…

＜フィギュアスケート：グランプリ（GP）シリーズ第4戦NHK杯＞◇第2日◇8日◇大阪・東和薬品RACTABドーム◇男子フリー

2022年北京オリンピック（五輪）銀メダルの鍵山優真（22＝オリエンタルバイオ／中京大）が、日本男子史上初となるNHK杯3連覇を達成した。自身の今季GPシリーズ初戦を制して成し遂げた。188・66点の合計287・24点。今季ベストの演技で通算7勝目を挙げ、シリーズ上位6人による12月のファイナル（名古屋）進出にも大きく前進した。

「最終滑走で緊張する場面でしたけど、最後だから、思い切り楽しんで滑ろうと思いました。ちょっとミスはあったんですけど、後半、リカバリーもできて、諦めず。まだまだ完成形には遠いですけど、今できる全力は出せたので、もっといいものをお見せできるように追求していきたい」

前の滑走でノーミスの盟友、佐藤駿（21＝エームサービス／明大）を1・53点差でかわし「まだまだ駿に負けていられない」と熱いコメントでも場内を盛り上げた。

演技は、冒頭の4回転サルコーを美しく決めたが、続く4回転トーループで転倒。しかし、その後は立て直す。予定していた連続ジャンプを、得点が1・1倍になる後半に決めてリカバリーし「トゥーランドット」を舞い切った。

海外勢も含めれば「皇帝」エフゲニー・プルシェンコ以来となる3連覇には、照れ笑いしつつ、すぐ「悔しさ8割。素晴らしいものを見せたい思いがあったので。3連覇のプレッシャーは感じなかったですし、自分の中では何とか耐えたな」と納得した。

7日のショートプログラム（SP）は首位発進ながら「スケート人生で初めて」というスピンのミスが響き98・58点。全3本のジャンプを成功させていただけに「絶対にやってはいけないミスが出た」と反省の弁を重ねていた。

この日の朝の公式練習では、スピンやステップシークエンスを入念に調整。「ジャンプ以外の部分もしっかりと落ち着いてやらなければいけない」と、気持ちを新たに臨んでいた。

世界選手権では3つの銀メダルと1つの銅メダルを持ち、年明け2月に開幕するミラノ・コルティナ大会では頂点を目指す22歳。代表選考に大きく関わる今年のファイナルは、拠点とする愛知で行われる。その出場権が懸かるGPシリーズ次戦は、第6戦のフィンランド大会（21～23日、ヘルシンキ）に出場。「まだまだ伸びしろのある演技。自分はタイトなスケジュールになってしまったけど、体調管理と練習をしっかりして、もっともっと、いいものをお見せしたいと思います」。日本のエースが、ここから勢いに乗る。【勝部晃多】

◆男女シングルのミラノ・コルティナ五輪への道　出場枠は各3。全日本選手権（12月18～21日、東京・代々木第一体育館）の優勝者が最優先で代表入り。2人目は全日本の2、3位、GPファイナルの日本勢上位2人、全日本終了時で国際スケート連盟（ISU）公認のシーズン最高得点上位3人から選出。3人目は、全日本終了時の世界ランキングや日本連盟独自の国際大会ポイントの上位3人などを選考対象に加える。