全国高校サッカー選手権県大会準決勝2試合が8日、草薙陸上競技場で行われる。10年ぶりの優勝を狙う藤枝東は、3連覇を目指す…

全国高校サッカー選手権県大会準決勝2試合が8日、草薙陸上競技場で行われる。

10年ぶりの優勝を狙う藤枝東は、3連覇を目指す静岡学園と対戦する。名門の背番号「10」をつけるMF泉孝太郎(3年)は1年時から主力として活躍。同校OBで兄の新之助(早大2年)も果たせなかった全国出場を目指し、チームの攻撃をけん引する。

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藤枝東の司令塔はラストチャンスにかけている。泉は入学当初から頭角を現し、1年生だった一昨年の県選手権でもピッチに立った。昨年からはチームの主軸として活躍し、今年は背番号「10」をつけている。ただ、入学後から1度も全国大会に出場できていない。今年6月の県総体も準優勝。「今年こそは絶対に(全国に)行きたい」と並々ならぬ思いを口にした。

中学までは東京U-15むさしでプレー。ユースに昇格できず、同校への入学を決めた。泉は「兄の影響もあって、全国に出るために藤枝東にきた」。OBで兄の新之助も藤枝東の主力として活躍したが、在校中の3年間で全国出場を果たせなかった。高校生活で集大成となる県選手権は兄の思いも背負って兄弟の悲願を目指す。

3日の藤枝明誠との準々決勝ではチャンスを決めきれず、「課題も残った」と反省した。自身の役目は中盤で積極的にボールを受け、攻撃のテンポを作ること。静岡学園との準決勝では「ゴールとかアシストの最後の仕事にこだわってプレーしたい」と力を込めた。

県選手権に限れば、同校は15年度大会以来優勝から遠ざかっている。さらに、21年から3年連続で準優勝。県総体でも直近は2年連続で決勝で涙をのんだ。「静学は技術もあって、強い。チャレンジャーのつもりで戦いたい」と泉。3連覇を狙う王者に真っ向勝負し、あと1歩で逃し続けてきた全国への道をつなげる。【神谷亮磨】

◆泉孝太郎(いずみ・こうたろう)2008年(平20)1月10日生まれ、東京都西東京市出身。年中から西原少年SCでサッカーを始め、小6まで所属。中学時代は東京U-15むさしでプレー。23年鹿児島国体静岡県選抜。右利き。家族は両親と兄。172センチ、60キロ。血液型AB。